【SW2.5】アンデッドの遺跡探索【初心者向けシナリオ】
こんにちは、ジーコと申します。今年の6月ぐらいからSW2.5を遊ぶようになったTRPG初心者です。普段はオンセンSNSというサイトでSW2.5を遊んでいます。
今回は、私の初の自作シナリオである『アンデッドの遺跡探索』というシナリオを公開しようと思います。ベタな遺跡探索のシナリオですが、3回ほど実際に回した結果、ようやく最低限の体裁が整ったシナリオになったと思います。
最後まで読んでいただけると幸いです。
このシナリオは、魔物やアイテムのデータとして以下のルールブックおよびサプリメントを使用しております。
・基本ルールブックⅠ(PLはこれ一冊から遊べます)
・モンストラスロア(GMをする人は所持が必須です)
また、これ以降は基本ルールブックⅠを「Ⅰ」、モンストラスロアを「ML」と表記いたします。
それでは、さっそく始めていきます!
あ、構成はルールブックⅠの形式を参考にしております。もしも記載漏れや気になった点などがございましたら、ご気軽にお尋ねください。
シナリオ
このシナリオは、アンデッドが定期的に出現する遺跡を最深部まで探索し、アンデッドたちを掃討することが目的となります。
セッションの準備
このシナリオは、以下のレギュレーションで作成されたPC、3~5人を想定してデザインされています。それ以外の場合、敵などをGMが調整してください。
~ここからPC作成レギュレーション~
経験点:3000+2500点
ガメル:5000G
名誉点:60点
成長:2回(任意の2種類の能力を1回ずつ成長させててください)
レベル制限:3
アビスシャード:1個
~ここまでがPC作成レギュレーション~
一応、ルールブックⅠ掲載のサンプルシナリオ『蛮族を駆逐せよ』を終えたPCを想定しております。そのため、レギュレーションに500~1000点ぐらい経験点が足りなくても何とかなると思います。
どうしても不安な場合は、経験点を5500点まで引き上げてください。また、実際のセッションでは4人でしか回していないため、難易度は人数でブレが生じることをご留意ください。
シナリオの舞台
アルフレイム大陸(Ⅰ・373頁)の南西部にある、ブルライト地方の都市「ハーヴェス」(Ⅰ・379頁)から冒険は始まります。
PCたちは、ハーヴェスに存在する冒険者ギルド支部<ドラゴンファイア>で少しずつ依頼をこなすようになった、成長途中の駆け出し冒険者です。
シナリオ本編
1)導入
今回の舞台は、"呪いと祝福の大地"アルフレイム大陸の南西部に位置するブルライト地方に存在する"導きの港"ハーヴェス王国。ハーヴェス王国の特徴は、ディガット山脈から流れるウォルタ川という豊かな水脈を有していたり、南西の海岸から広がる、アルフレイム大陸の内外を問わない広い交流関係だったりといった、水にちなんだものが多い。
君たちがいるのは、そんなハーヴェス王国にある冒険者ギルド『ドラゴンファイア』だ。君たちは冒険者かもしれないし、そうでもないかもしれない。いずれにせよ、実力的には、つい先日初めての依頼を達成してきたばかりの、駆け出しといったところだろう。
時刻は10時ごろ。他の冒険者たちは朝食を済ませ、訓練であったり、冒険の準備のためにギルドを発ってしまったところだ。そこに、担当者のリーナ・バークマン(人間/女/22歳)が君たちに声をかけてくる。
「今ちょうど、新しい依頼が入っているの。ハーヴェスからチャーターを使って二日ほどの距離にある遺跡についての依頼なんだけど、手に負えないアンデッドがいるから、退治してほしいそうよ」
リーナの話によれば、姿を見せているのは人語を喋るアンデッドだという。
依頼の内容
・依頼者は冒険者ギルド。
・報酬は成功報酬として一人あたり1000ガメル。
・目的は枯れた遺跡に定期的に出現するアンデッドの掃討(普段は新米冒険者に依頼しているが、最近は徐々にアンデッドのレベルが上がっている)。
・制限日数は、現地到着から1日間。過ぎると失敗と見なされる。
・移動手段であるチャーター便のおよび食事の代金は、ギルド側で用意する。
・前渡し報酬として、PCひとりにつき<ヒーリングポーション>(Ⅰ・325頁)×1が支給される。
・もし、最近の現象(出現するアンデッドが強くなっている)の原因の究明して現場の判断で解決した場合、追加の報酬が支払われる。
依頼の状況
・遺跡までは、チャーター便で二日の距離(帰り道も保証されているので、地図などを用意する必要はない)。
・遺跡は地下都市の跡地で、300年前の<大破局(ディアボリック・トライアンフ)>(Ⅰ・355頁)によって崩壊したとされている。
・アンデッドは、総勢10体程度。特にグールが多いらしい(以前はスケルトンやゾンビぐらいまでしかいなかった)。
・遺跡から逃げ出してきた冒険者によると、人語を喋るアンデッドが存在していたらしい。
グール(ML・128頁)について「魔物知識判定」(Ⅰ・116頁)ができます(全員失敗した場合、リーナが教えてくれます)。
なお、報酬の釣り上げには応じません。また、他にPCたちに最適な依頼もありません。
また、この時点で遺跡の地図(いつもは新米冒険者に依頼を出しているということで、準備してある)を渡されます。実際のセッションでは以下の画像を使ってください。
2)遺跡周辺にて
ギルドが手配してくれたチャーターで君たちは遺跡へと向かっていく。ハーヴェスから遺跡自体まで向かうことは今回が初めてではなかったようで、すでに危険の少ないルートが見つかっているそうだ。そのためか、道中は何事もなく、安全に遺跡周辺までたどり着けた。
周辺を見渡すと、アンデッドの瘴気にやられているのか、雑草すら生えていないようだった。また、風化が進んだ結果、洞窟のようになっている入口があり、地下へと続いていることが分かる。どうやら、これが遺跡の入口のようだ。
チャーターの運転手は、近くの村で待っているとのことで、遺跡から村までの地図を渡してくれます。適当に「アンデッドにならずに遺跡から戻ってくることを願うよ」みたいな労いの言葉をかけると味が出ると思います(笑)
ここでは特にイベントは発生せず、探索しても役に立つものは何も見つかりません。
3)遺跡の中へ
PCが望むならば、いつでも遺跡に入ることが出来ます。
遺跡は暗くなっているので、探索中は明かりの用意が必要です。Ⅰ・320頁の照明器具の説明を参考にしてください(本記事では基本戦闘を想定しておりますが、戦闘中は3エリアを照らすものとして扱うことを推奨します)。
<1>入口
洞窟に足を踏み入れたあなた達。入った瞬間に強い腐敗臭が漂ってくる。どうやらアンデッドが巣食っているのは間違いないようだ。
匂いに慣れると、奥の広場から骨が岩にぶつかる音がコツンコツンと聞こえてくる。冒険者である君たちは、これがアンデッドのものであるとすぐに気がつく。
聞こえてくる音から情報を得たい場合は、目標値11の「聞き耳判定」(Ⅰ・113頁)を行います。成功すると、音は2種類あり、グールと四足歩行のアンデッドの音であると分かります。
-4のペナルティ修正を加えることで、音から四足歩行のアンデッドに対して「魔物知識判定」(Ⅰ・116頁)を行うことができます。この達成値はペナルティ修正を取り除いて戦闘準備で参照します(Ⅰ・422頁)。
目標値は10/13で、成功すると広場にいるのがボーンハウンド(ML・130頁)と推定できます。
アンデッドたちとの距離を調べたい場合は、代表者一人で目標値9の「隠密判定」(Ⅰ・111頁)を行います。成功した場合は距離が50m程度と分かり、戦闘準備とは別に1Rの猶予が与えられます。失敗した場合は先制値に-1のペナルティ修正が入ります。
さらに、成功すると内訳がグール×(PC人数-2)体と四足歩行のアンデッド×1体だと分かります。紙やペン(Ⅰ・322頁)を持っている場合は、隠密判定を行った人に絵を書いてもらうことで「魔物知識判定」(Ⅰ・116頁)を行うことができます。この場合、ペナルティ修正は-2となります。
<2>広場
君たちは入口で聞こえた音を頼りに奇襲されないように警戒しながら、ジリジリと洞窟を進んでいく。順路はL字となっており、まだアンデッドは見えない。
L字の順路を曲がると、目の前には急に縦長の広場となっていた。幅はおよそ15m程度で、奥行きは正確には掴めない。さらに、少し離れた場所にアンデッドたちがいることが分かる。
当然、アンデッドたちも冒険者がいることに気が付き、すぐさま襲いかかってきた!
戦闘
前線:ボーンハウンド(ML・130頁)×1体
前線:グール(ML・128頁)×(PC人数-2)体
戦闘に勝利した場合
君たちは咄嗟に出くわしたアンデッドをなんとかいなすことができた。この広場は思っていた以上に広く、思った以上に何もないことが分かる。どうやら、他の部屋や施設との中継地点以上の意味は持ち合わせていないようだ。
君たちが行ける場所は「食事場」「庭」「最奥につながっている通路」の三箇所だ。好きな場所に好きな順番で行くことが出来るからこそ、パーティー内で意思疎通を計ることが重要だろう。
パーティーで話し合って次に向かう場所を決めてもらい、対応するイベントの処理を行います。
<3>庭
広場から少し離れたところに、他より地面が粉っぽい場所があった。どうやらアンデッドが全く足を踏み入れていない場所のようで、崩れたレンガの段差に土が盛られており、かすかにかつては庭だった形跡がある。
しかし、手入れは全くされておらず、草が生い茂っているのみである。また、草の生えている場所と現在の場所との間には6mほどの地割れがある。あれらを採取するには、地割れを往復して飛び越えるしかなさそうだ。
庭の周囲を調べたところ、以下の位置関係が分かります。この画像はプレイヤーに公開しても構いませんし、聞かれた部分だけ答えても構いません。
プレイヤーの対処に応じて、「跳躍判定」(Ⅰ・121頁)や「登攀判定」(Ⅰ・121頁)を行います。
草について調べたい場合は、目標値5の「薬品学判定」(Ⅰ・116頁)を行います。成功すると、草が魔香草(Ⅰ・324頁)であると分かります。地割れの反対側から調べる場合は、達成値に-2のペナルティ修正を加えてください。
採取する場合は、(1d+4)個の草を獲得します。
<4>食事場
広場にある扉を開けて入ったこの部屋は、ひときわ強い匂いがした。部屋の真ん中には、顔以外の肉がほとんど崩れ落ちた大型の四足獣の死体が転がっている。
景色に見慣れたあなた達は、少しずつ周りの状況に気がつく。どうやら気絶したグラスランナーの冒険者が倒れている。息は薄いが、まだ生きているみたいだ。今すぐ処置をすれば助かるかもしれない。
広場とこの部屋をつなぐドアには特別な仕掛けは無く、開けるのに判定は不要です。
この部屋に入った瞬間、目標値8の「異常感知判定」(Ⅰ・113頁)を行います。成功すると、この食事場全体に『毒の瘴気』が発生していることが分かります。『毒の瘴気』によって、判定などで10分間この部屋に滞在するごとに1d[点]の魔法ダメージを受けます。
冒険者の様態を調べたい場合は、目標値7の「病気知識判定」(Ⅰ・115頁)を行います。成功した場合、冒険者はかなり長い時間瘴気を吸っていて、現在のHPが「-10」であると分かります。
また、筋力15以上のキャラクターがいるのであれば、このグラスランナーの冒険者を「<2>広場」に連れ出しても構いません。
グラスランナーの冒険者を助けた場合
「おっ、君たちが助けてくれたのかい?」
「いやぁ~私ったら運がいいね!わっはっは」
グラスランナーの冒険者を助けると、お礼として以下のことを教えてくれます。
・冒険者の名前はミンス*1といい、一人でこの遺跡にお宝漁りに来ている。
・食事場に、武器庫に繋がる隠し扉がある(以降、食事場から武器庫に行くことが可能になります)。
・武器庫を漁っていたら、この遺跡のボスのアンデッドに見つかって気絶させられていた(保存食として)。
・アンデッドのボスは人間並みの知能を持っている。
以上の情報を伝えると、ミンスは「さすがに疲れたから帰る」といって入口から遺跡を脱出します。パーティーには加わりません。
<5>武器庫
食事場に隠されていた扉を開けると、そこにはアンデッドの部隊が使うと思われる武器庫があった。食事場ほどの腐敗臭はなく、どうやらここには毒の瘴気も届いていないみたいだ。
武器はスケルトンが使い古したのか、ボロボロの状態のものしか見つからなかった。だが、もしかすると武器以外ならお宝が紛れているかもしれない。
ここでは食事場の『毒の瘴気』のダメージを受けません。
周囲を調べる場合は目標値8/12の「探索判定」(Ⅰ・114頁)を行います。目標値8で知名度13の宝石を4つ、目標値12で知名度10のペンダントを見つけます。
これらについて詳しく調べたい場合は、それぞれの知名度を目標値とした「宝物鑑定判定」(Ⅰ・115頁)を行います。セージ技能を用いて判定に成功すると、宝石は<消魔の守護石(2点)>(Ⅰ・327頁)、ペンダントは<幸運のお守り>(Ⅰ・329頁)だと分かります。
<6>通路
君たちは広場から通路を見やる。地図の通りであれば、このまま順調に通路を進めば最奥にたどり着けるはずである。
ただ、道幅はかなり狭く、2人以上が横に並んで進むのは難しそうである。この通路を通るときは、隊列を組んでから進んでいく必要がありそうだ。
通路についてはこんな感じです。この画像はプレイヤーに公開しても構いませんし、聞かれた部分だけ答えても構いません。
この通路を通る場合、先頭の人を決める必要があることをプレイヤーに伝えてください。そして、曲がり角を少し進んだ段階で、先頭の人は目標値9の「罠回避判定」(Ⅰ・116頁)を行います。
判定に成功すると、足元のブービートラップを無視できたとして、このあとの戦闘の先制値に+2のボーナス修正を獲得します。失敗した場合、背後から直径4mの岩が転がってきたとして、そのまま「<7>最奥」に移動し、即座に戦闘を開始します(岩からの逃走は自動成功とみなしてOKです)。
<7>最奥
通路を通って洞窟への最奥にまでたどり着いたあなたたち。最奥にはグールとグールの魔法使い、スケルトンの射手がいるようだ。出口はあるが、これらを倒さないと外には出してくれないようである。
アンデッドたちは、あなたたちを見るやいなや、陣形を組んで襲いかかってきた!
ここでは、グールなどのアンデッドを指揮しているグールメイジとその配下が待ち構えています。そのまま戦闘となります。
戦闘
前線:グール(ML・128頁)×(PC人数-1)体
後方:グールメイジ(ML・130頁)×1体
後方:スケルトンアーチャー(ML・129頁)×1体
※グールメイジは、<剣のかけら>(Ⅰ・425頁)×(PC人数+2)個で強化されています。ボスですが、2R目あたりから前線に突入してグールが全滅したタイミングで<ライトニング> を毎ターン使用する動きが強いと思います。
4)結末
依頼を終えて<ドラゴンファイア>まで帰ってきたあなた達。あなた達は、リーナ・バークマンに今回起こったことについて報告した。
経験点と報酬
PCたちは「1000+倒した魔物のレベル合計×10+自動失敗の回数×50」点を獲得します。具体的には、以下の通りです。
3人プレイ:「1260+自動失敗の回数×50」点
4人プレイ:「1320+自動失敗の回数×50」点
5人プレイ:「1380+自動失敗の回数×50」点
報酬については、広場での戦闘に勝利で1000ガメル、グールメイジ討伐で250ガメル、グラスランナーの冒険者救出で250ガメルが支払われます。
名誉点は、<剣のかけら>を献上することで獲得できます。プレイヤーが振って期待値2とかになると微妙な雰囲気になるので、GMが振ってしまうことをおすすめします。
あとがき
いかがでしたか?(検索汚染のクソブログ風に)
1回目は戦闘バランスの調整を間違え、2回目は背景描写が足りなかったので自分で画像を作り、3回目はアドリブでの対応に爆発しかけたりと、まだまだ改善の余地もありそうですが、まずは形にして公開することが重要だと考えてこの記事をアップロードしました。
シナリオを投稿するのは初めてなので、見づらかったり説明が足りない部分などがございましたら、ご気軽にコメントだったりTwitterのDMをいただけると嬉しいです。
シンプルなダンジョンアタックということで回す難易度自体はかなり低いと思うので、私のような初心者GMの方にも使っていただけたらなあ、と思います。
というわけで、本記事は以上となります。最後まで読んでくださり、ありがとうございました!同卓するときはよろしくお願いします。