今日も一日、諸々ケア!

ジーコというHNの男が、様々な方面から怒られない程度にふるよにと無関係なことを書くブログ。

【CROSS×GEAR】シャルロット×カノンについて

1. はじめに

 最近、関東のふるよに界隈のごく一部で「CROSS×GEAR」(以下:クロスギア)というゲームが流行りました。(この記事を読んでる人は既に購入した人しかいないと思っていますが、一応公式HPを貼っておきます)

www.drive-games.com

 ゲーム性については丁寧に言語化された記事が既にあるので、この記事では言及しません。(余談ですが、私はこの記事を読んでクロスギアを購入しました)

saize-lw.hatenablog.com

 実は、かなり前から購入はしていたのですが、「二人用ゲームを立てるなら、別にふるよにで良くね?」という部分もあり、棚に保管されたままの状態が続いていました。ですが、2024年8月ごろ、10月末に賞金制大会が開かれることを知りました。ふるよに以外の二人用ゲームをほとんど遊んだことがないのに私は色々と舐め腐っていたので、2ヶ月ちょいあればギリギリ間に合うと思いました。そこから、一緒に検討してくれる相手を賞金制大会を餌に探すことにしました。

 ふるよにとクロスギアですが、
・2人用ゲーム
・カードの種類が少なく、再現性が比較的高い
・終盤のリーサルの読み合いがシビア
という部分で千葉県民ミコト(ふるよにプレイヤー)にもウケが良いだろうと思いました。そのため、上述の要素を全面に出してふるよに会に持ち込んで布教したところ、私の周りで6~7人ぐらいは購入するぐらいにはハマってもらえました。これぐらいのタイミングで「ふるよにクロスギア部」を設立します。

 その後、トップメタが何なのか把握するべく8月の公認大会に参加し、以降も部内で知見を共有しながら検討を重ねました。その結果、何やかんやあってシャルロット×カノンという組み合わせがメタに合っているのではないか、という話になりました。賞金制大会直前の公認大会では秘匿するか一瞬悩みましたが、我々はどちらかといえば下剋上する側である以上、大会環境での経験を積むべく秘匿せずに持ち込みます。

 そして、そのまま優勝してしまいました。

 ただ、このときの黒星は完全ミラーマッチによるもので、何なら決勝戦も完全ミラーマッチでした。そのため、我々が秘匿しようが実際には世間に強さがバレるのは不可避だったと思います。
 そして、賞金制大会では部員4人が全員カノン×シャルロットで参加し、結論から言えば誰もベスト4には上がれませんでした。私は×◯◯◯の3-1で、結果だけ見ると善戦したように見えますが、初戦で敗北したために白星のお相手は全員2敗以上で、オボネントは絶望的だったと思います。

 ここまで前置きが長くなってしまいましたが、それなりに検討した組み合わせなので、せっかくだし知見を放出したいと思います。最後まで読んでもらえると嬉しいです。

2. 強み

2-1. 勝ち筋が明確

 シャルロット×カノンの典型的な勝ち筋は、カノン②のアンブロ効果をシャルロット③に付与して、【攻撃時】GEARLINK①から複数回相手の顔面を殴ることです。
 これだけ聞いてもよくわからないと思うので、補足説明用に公式Discord鯖からの引用を載せておきます。

Q1
【カノン②才幹の凌駕】で【シャルロット③確固たる意志】に「このターン、このアーツは相手のアーツにブロックされない」を付与しました。この状態で【シャルロット③】のギアリンクを使用した場合、どのような処理になりますか?
A.
【確固たる意志】のGEARLINK効果により、対象にした相手のアーツ1つをアップ状態にし、その後、【確固たる意志】はアップし、あなたは2点のライフを回復します。そして、相手のアーツのブロックに対して、【確固たる意志】はブロックされない処理となります。
出典:CROSSGEARルール質問掲示板(2023.12.11 16:21投稿)

 例えば、シャルロット(2枚DRIVE)を予め場に立てておけば、「カノン②(シャルロット③にアンブロ付与)→シャルロット③攻撃(【攻撃時】GEARLINK①)×2回→シャルロット③攻撃」で8GEAR から21点リーサルです。
 一応、カノン③にアンブロを付与してシャルロット①の【撤退時】GEARLINK①でアンタップして複数回顔を殴るリーサルも取れますが、シャルロット①登場→撤退→【撤退時】GEARLINK①と3GEARを要求するので燃費が悪く、あくまでサブルートになります。(サブルートからもリーサルを取れるように、予め上述のコンボで相手のライフを12程度、まで落とせると後が楽です)

2-2. 負けない盤面作りが得意

 このゲームの負け筋は大きく分けて二つあります。一つは壁を全除去して攻撃をライフに通された場合で、もう一つは壁を無視してアーツの効果でライフダメージを受けた場合です。
 カノンは、前者に対してはカノン③によって高パワーの壁を立てやすいので耐性がありますが、後者に対してはライフ回復手段を持たないことから脆弱性があります。これに対して、シャルロットを相方に添えることでシャルロット②やシャルロット③による回復手段を持つことが出来、後者に対しても耐性を持つことが出来ます。

 また、先述したリーサルをケアするために相手は必死でシャルロット③を除去する必要があるので、必然的にアーツの効果ダメージが盤面(シャルロット③)に吸われます。これにより、普段シャルロットを使っているときよりもライフの減りづらく、間接的ですが防御力に寄与しています。

3. 各カードの役割

 シャルロット×カノン特有の話を中心に、各カードの解説をします。

※各キャラ単体におけるカードの話は、先行文献があるのでここでは割愛します。

saize-lw.hatenablog.com

3-1. シャルロット①

 終盤のカノン③アップによるリーサル寄与が、シャルロット×カノンにおける主な役割です。【撤退時】GEARLINK①がアリシア①を絡めたリーサルや、アリシア②の全体ダウンからのリカバリーに対して優秀で、カノンが抱えるアリシアへの脆弱性をフォローしてくれます。
 細かい使い方としては、カノン③で攻撃してから【DRIVE】効果でこのカードを退場させると、相手の盤面を除去しながら【撤退時】GEARLINK①でカノン③を起こせます。また、カノン①の【攻撃時】GEARLINK①を使用するとこのカードで底に送ったカードをリセットできます。

 基本的に出し得なカードではありますが、相手が殴らないタイプのデッキだと場を埋めてしまい、リーサルを取りたい場面で撤退に行動権を多く費やすことになります。特に、シャルロット×カノンはカノン②がリーサルに絡むため、場はなるべく空いている方が都合がいいです。一応、DRIVEして場を埋めずに山札を引く、という選択肢を常に考えるべきです。

3-2. シャルロット②

 シャルロット×カノンとして特別なシナジーがあるわけではありません。一応、横にカノン①を立てながら攻撃すると、攻撃時にライフを1点多く取れたり、ブロックしてきた相手のアーツも破壊できたりと、少し有り難い場面があります。

3-3. シャルロット③

 この組み合わせのメインパーツです。理想はこのアーツをパワー7以上で立てて、次の自分のターンにカノン②でアンブロ付与して殴ることです。相手の盤面から行動権を計算して、相手がこのアーツを除去できるか、あるいはどの程度の無茶を強要できるかを意識しましょう。

 カノン①のバフがシャルロットミラーで特に偉く、シャルロット③のぶつけ合いでマウントを取りやすいです。また、基本的に弱い行動ですが、カノン②でパワー+3を付与すると除去できるラインが一気に高くなります。
 防御的な使い方をする場合は、カノン③の方がDRIVEせずに高いパワーを発揮できる分燃費がいいです。そのため、こちらを使う場面では攻撃的な立ち回りを意識したほうが、シャルロット×カノンとしては強いと思います。

3-4. カノン①

 シャルロット③が自身のパワーを参照して盤面を除去するので、シナジーは比較的あります。ですが、相手の盤面除去の計算を崩せる場面以外では、手札制限で捨てる方が、行動権を消費せずに捨札に送れるので強いです。

 終盤はカノン②のアンブロ付与やシャルロット①のアンタップなど、リーサルを取るために行動権を使う必要があり、中盤はリーサルを取られないように壁を立てるために行動権を消費することになるので、序盤(目安としては5ギア以下)の内に可能な限り捨札に送るようにしましょう。

3-5. カノン②

 シャルロット×カノンでリーサルを取る際にほぼ必須となるカードです。シャルロット×カノンはライフを詰めるためにGEARLINKを使う必要がある組み合わせなので、序盤にギア加速のためにGEARLINK②を使うと終盤息切れしやすいです。

 中盤(体感的に6~8ギアぐらい)にアンブロ付与から相手のライフを10点程度削って、終盤にカノン③かシャルロット③かどちらを使ってもリーサルが狙える状態にするのが理想です。

3-6. カノン③

 シャルロット×カノンにおけるサブ打点です。相手が舐めて壁を2体以下でターンを返してきた場合には、「カノン③攻撃→カノン③DRIVEでシャルロット①退場→【撤退時】GEARLINK①でアップして攻撃」と動いて4ギアから(4+n)点のライフを取りに行くことがあります。(カノン③を2枚横並べするのも悪くはありませんが、ダウン状態のアーツが2体並ぶので返しの防御力が低く、場が埋まるのでリーサル時に撤退で余計な行動権を消費する流れを招きやすいです)

 また、シャルロット×カノンは、ライフを詰めるためにGEARLINKが必要(≒GEARLINKが切れるとライフを削る手段に乏しい)な点や、相手にリーサルケアでGEARLINKを強要しがちな点から、お互いがGEARLINKを使い果たした状態を引き起こしやすいです。大会の場合は、実際にそうなるとライブラリアウトを狙うことになりますが、このアーツはDRIVEなしで高いアーツを出せるので山札が減りづらく、盤面と山札枚数の両方で相手に圧をかけられます。

4. 各対面の相性

 最後に、各キャラに対するシャルロット×カノンの方針を簡単に説明します。

4-1. アリア

 カノンのおかげでパワー3や4の壁を立てやすく、序盤のアリア②やアリア③に対して強く動けます。しかし、こちらのシャルロット③をDRIVEする動きに対しては、アリア①のDRIVE時効果で上手く対処される場合が多いです。したがって、シャルロット③+アンブロ付与で一気に削るのは上手くいかない事が多いです。
 ただし、アリアはライフ回復手段を持ちません。方針としては、中盤に1回顔を殴ってライフを削っておき、10ギア溜まったぐらいのタイミングでカノン②から残りのライフを一気に削るつもりで動きます。

 序盤はカノン①とカノン③を使って、アリア③でライフを取られない盤面作りを意識します。そして、狙えそうな場面ではカノン③のDRIVE効果などで盤面をこじあけて、ライフを取りにいきます。このとき、シャルロット①と1GEARLを残しておくと、チャンプから【撤退時】GEARLINK①で攻撃に使ったカノン③を相手のターン中にアップできるので隙が生まれにくいです。

4-2. シャルロット

 相手のシャルロット③を盤面除去に「使わせる」意識が重要です。お互いに回復手段を持つのでGEARLINKが枯れるゲーム展開にはなりやすいですが、こちらはカノン③でも壁を立てられる分殴り合いでは優位を取りやすいです。

 また、シャルロットミラーではお互いにシャルロット②を警戒して殴らないゲームになりがちですが、そうなると場に残ったシャルロット①の扱いに困りがちです。そのような場面において、こちらはカノン③のDRIVEで上手くさばける分きれいに動きやすいです。

4-3. リーリア

 相手の練度に左右されます。適切にリーリア①の回復を使われると、こちらはリーリア③の盤面除去ケアで場を埋める都合から高いリーサルを出しづらく、膠着状態に陥りがちです。
 基本的には、盤面除去にリーリア②やリーリア③を「使わないといけない」盤面作りを意識して、自傷でライフを減らしてもらえるように動きます。このとき、シャルロット②をカノン①でバフしながら攻撃できると、相手のライフを1点多く詰めながら、返しのリーリア③の【攻撃時】効果をカノン①に吸わせられるので強いです。

 また、道中でシャルロット③にアンブロを付与して、相手のライフを一気に削っておく動きも刺さります。これにより、リーリア②やリーリア③でリーサルを狙う際にライフ回復のための行動権の消費を強要して相手のリーサル火力を落とせますし、ついでに自分のライフも回復できるのでリーリア②の【撤退時】効果が顔に飛んできても耐えやすくなります。

4-4. カノン

 お互いにカノン①を捨札に送り合うスローテンポなゲームになりがちですが、
・カノン単体ではライフ回復手段を持たない
・カノン②のアンブロを付与する際にカノン③よりもシャルロット③の方がGEARあたりのダメージ効率が高い
・こちらは攻撃してきたカノン③を返しにシャルロット②で除去する権利がある
といった点から、盤面でもライフでも主導権を握りやすいです。

 相手の除去が大味(カノン③DRIVEによる4点刻み)になりやすいので、カノン③をパワー5以上で立てたり、シャルロット③をパワー9以上で立てることを意識すると盤面でもマウントを取りやすいです。(逆に、中途半端な壁の立て方をすると一方的に盤面を取られかねないので注意)

4-5. シャロン

 相手の捨札が15枚になるまでに最低でもライフ10ぐらいまで落としておかないとしんどいです。ライフを削るのが間に合わなかった場合は、ライブラリアウトしか勝ち筋がないこともしばしばです。
 捨札が15枚になるまでは相手が盤面に触る手段はシャロン②の【攻撃時】効果しかないので、パワー7以上のシャルロットを除去するのが難しいはずです。シャロンもライフ回復手段を持たないキャラではあるので、序盤にどれだけ相手のライフを削れるかにかかっています。

 下手に相手のアーツを破壊すると捨札が増えてしまううえに、シャロン②の登場がスムーズになってしまうので、「ライフを削れないなら盤面を除去せず、一方的に退場させられる場合でもブロックしない」という意識が重要です。ただ、相手のシャロン②をブロックするかの判断だけは難しいです。基本的に、返しにシャルロット③を立てないなら返しに除去されないようにブロック(≒相手のシャロン②を破壊)して、それ以外ならブロックしない(≒相手に撤退を強要して、捨札を増やすペースを落とす)という判断で良いと思います。

4-6. ルシア

 ルシア①がとにかく厄介で、ゲームがグダります。
・除外ケアで場のカノン①を撤退させる
・手札のシャルロット③をハンデスで抜かれる可能性を減らすためにカードを引く
・シャルロット③をハンデスされないように、敢えて場に出してDRIVEする
・トップからシャルロット③を引いてハンデスで抜かれるリスクを考慮して敢えて引かない
など、常にルシア①のケアを念頭に置いて最善手を打つ必要があります。

 ただ、ルシアの主張(ルシア②をOVERDRIVEさせながら、瞬間的に大量のGEARを湧かす)に対しては、パワー5以上のカノン③を立てておくだけで、相手のリーサル火力を落とせるはずです。(もちろん、ルシアの横の盤面除去能力によって要求される壁の質は変わります)

 また、ルシア単体だとカノン③を突破するのが大変だと思うので、ライブラリアウトも勝ち筋の一つです。ルシアはDRIVE回数が多く、ルシア②を引くためのドロー回数も多いので山札の減りが速いです。常に相手より山札が多い状態をキープして、「そっちが動かないなら俺の勝ちだが?」という顔ができるように意識して動きましょう。(個人的には、シャルロット×ルシア対面とかなら5~6ギア残して手番を返すのも全然アリだと思っています)

4-7. アイラ

 アイラ③の【登場時】GEARLINK④があるので、シャルロット③は小出しに重ねる意識が重要だと思います。理想は、アイラ③の【登場時】GEARLINK④を使わせた返しに、カノン③DRIVEでアイラ③を除去して攻撃をライフに通すゲーム展開です。(これを通すためにも、なるべくアイラ対面では盤面を除去しようとせず、アイラ③を登場させる前に撤退を強要できるような盤面を作りたいです)

 ゲーム序盤は、アイラ②のSPIKEに対するケアを重点的に考えます。可能な限りカノン①でバフしたアーツでブロックすることでライフダメージを軽減し、返しにシャルロット②で除去を心がけましょう。

 アイラ自体はライフ回復手段を持たないので、リーサルのプラン自体は立てやすいと思います。アーツも場持ちの悪さも考慮して、2ショットを狙う意識で動きます。

4-8. アリシア

 シャルロット①の【撤退時】GEARLINK①を上手く扱えるかが勝負のカギです。手札に1枚抱えておくと、終盤の折衝で安心感があると思います。
 理想のゲーム展開は、こちらのシャルロット③の除去にアリシア②を使わせることです。アリシア②を盤面に吸わせるほど、ライフに飛んでくる効果ダメージが減るので、相手のリーサルのケアが容易になります。

 アリシア③が壁として優秀なのでアンチブロック以外でライフにダメージを通すのが難しいですが、相手もカノン③+シャルロット①の盤面を突破してダメージを稼ぐのは難しいはずです。(カノン単体に対してはアリシア①でダウンさせれば問題なく攻撃できるが、横にシャルロット①がいるとチャンプから【撤退時】GEARLINK①でカノン③がアップするので攻撃がライフに通らない)
 アリシアアリシア②による手札消費が激しく、他のキャラクターよりアクセラレーションの回数が多くなりやすいです。中盤にシャルロット③+アンチブロックで相手のライフを詰めながら回復して、
・アンブロ付与からのリーサルをケアするための回復
・相手のライフを削る(≒アリシア②を引き込む)ためのドロー
・ライブラリアウトのケア
という排反のケアを相手に押し付けて、任意の勝ち筋を後出しで選べる状況が理想です。

5. おわりに

 記事は以上になります。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

 シャルロット×カノンは全てのキャラに対して抗う術があり、カードゲーマー的に言えば非常に「丸い」組み合わせだと思っています。相手に合わせて適切なケアを取る必要があって、対話をしている感じが使っていてすごく楽しいです。

 この記事を読んで、一人でも多くの人がシャルロット×カノンを使ってもらえたら嬉しいです。ただ、ミラーマッチはしたくないので私の前では使わないでもらえると助かります。次の拡張も出るらしい(賞金制大会で告知があった)ので、楽しみにしています!

トゥルーマリンショー、Vtuberエアプでもオモロいです

1. はじめに

 関東のふるよに会では、ふるよに以外にも様々なボードゲームが遊ばれています。
 そのなかに、「トゥルーマリンショー(以下:トゥルマ)」というボードゲームがあります。個人的には麻雀と同じぐらいあったまれる非常に中毒性が高いボードゲームだと思っているので、今回はトゥルマをオススメする記事を書きます。

 トゥルマは初期デッキに市場から購入したカードを追加して高得点を目指す……という感じでゲーム性はドミニオンやハードオブクラウン(以下:ハトクラ)に似ていると思います。ですが、当然トゥルマにはトゥルマ独自のゲーム体験があり、現時点で第六段(1〜3・ミニ拡張・X・R)まで出ていることからカードプールもかなり広く、リプレイ性も高いです。
 また、このゲームは3人でも遊べるうえに、所要時間もふるよにと同じか少し短いぐらい(30~40分程度)です。そのため、会場にいるのが奇数人で周りがふるよにをしている場合等に、人数調整として立てやすいです。

※既プレイ向け補足:ふるよに会では、制作者ブログに記載の競技用規定《ミックス》で遊んでいます。
yuofc2.blog72.fc2.com

2. 個人的に面白い点

 あまりボードゲームに造詣はありませんが、私が面白いと感じるポイントを紹介します。説明のためにドミニオンやハトクラと比較しますが、どちらも好きなゲームです。ただ、どちらもガチでやり込んでるわけではないので、エアプが露呈したらごめんなさい。

 また、トゥルマで使用するカードはアズレン・東方・Vtuberで構成されていますが、私はそれら全てに対してにわか(アズレンチュートリアルでアンインストール、東方はBGMとして聴く程度、VtuberはTLに流れたイラストを見る程度)なので、キャラ的な部分には一切触れません。
※ちなみに、私はこのゲームのインストをVtuberミリしらの人から受けています。一番酷かったエピソードとしては、初プレイ1人+経験者(そこそこ遊んでる)3人でインストした後、フレーバーにあまりにも無頓着すぎて初プレイの人からホロライブのインストを受けたことがあります。

2.1. 購入を組み込んだ展開

 ドミニオンやハトクラの場合、基本は「手札を使って最大限のリソースを湧かす→購入」というのが自手番の流れだと思います。(厳密には他家の妨害との選択肢になる場面などもあると思いますが、本筋から逸れるので割愛させてください)

 これに対して、トゥルマでは手札のカードを場に出す行為とカードの購入を好きな順番で可能な限り行うことができます。トゥルマでは場のカードを購入コストとして捨札に送ることでカードの購入を行うので、
・購入コストとして捨札に送ったカードを他の効果で回収して再召喚
・購入したカードを回収してそのまま召喚
といったように、購入を組み込んだ展開が可能です。加えて、第五作(トゥルーマリンショーX)からは購入時に効果が発動するカードも追加されたため、より動きの選択肢が増えました。

 トゥルマではカードのカテゴリが5種類(青・赤・緑・黄・ドクロ)あり、カテゴリごとに3種類のカードが市場に置かれます。(カテゴリごとに購入に必要なコストや条件が異なってきます)
 このゲームの少し味がするポイントとして、各カテゴリの山トップを購入(=ガチャ)することが可能です。つまり、ガチャをするなら購入時に発動する効果までケアする必要があり、敢えて手札を残した状態でカードを購入したり、逆に他のカードも場に出してから購入するほうが良かったりする場面もあります。

2.2. 場に出したカードが残る

 ドミニオンやハトクラでは、手番終了時に場に出したカードと手札は基本的に全て捨札に移動し、場はリセットされます。(厳密にはドミニオンだと持続カード、ハトクラだと直轄地のような例外がありますが、前者は拡張の一部カードの話で後者は枚数やキープできるカードに条件があるので割愛します)

 トゥルマでは、手番終了時に捨てるのは手札のみです。乱暴な言い方をしてしまえば、全てのカードが持続カードであり、カードの召喚や購入などで捨て札に送らない限り場にキープされ続けるわけです。
※余談ですが、トゥルマは場に出ているカードのVPという数値が勝利点になります。つまり、カードの展開と勝利点を得る行為が一体化していますドミニオンの属州、ハトクラの公爵のように勝利点と展開力のトレードオフに悩むことがありません。超アッパー拡大再生産です。

 これにより、召喚時効果が強力なカードをリシャッフルに混ぜたり、あるいは弱いカードを場に残しておくことによりリシャッフルに混ぜないという選択肢が生まれます。先程、カードの展開と購入の順番という「一手番あたり」での話をしましたが、実際には他の手番を跨いで考える必要があります。

2.3. 各色マジョリティによる得点ボーナス

 先ほど、トゥルマの勝利点は場に出ているカードのVPだと言いました。このゲームの終了条件は20VPをいずれかのプレイヤーが用意することです。しかし、仮に自分だけが場札20点以上でゲームが終了しても安心できません。
 トゥルマでは、ゲーム終了時に、山札に存在する先述のカテゴリ(青・赤・緑・黄+ドクロ)の各枚数を比較します。そして、一番多い枚数を持っていたプレイヤーはボーナスカーと呼ばれるVPを獲得します。ボーナスカードに書かれているVPはカテゴリごとに異なり、ざっくり言えば入手のしやすさで2.5~4VPのグラデーションがあります。先ほど終了条件のVPは20以上と言いましたが、ボーナスカードのVPは合計で12.5VPにもなります。極論を言ってしまえば、場に出ているVPが10点違っていても逆転される可能性があるわけです。

 余談ですが、トゥルマにもドミニオンの廃棄、ハトクラの追放に相当するカード効果があります。それらとの違いとして、廃棄や追放は全プレイヤーで共通の領域ですが、トゥルマでは手柄という領域に移動し、手柄は各プレイヤーが保有している領域になります。
 そして、手柄に置いたカードは1枚につき1VPです。一見すると「山札圧縮と勝利点が両立してるなんて強すぎワロタ」となるかもしれませんが、手柄のカードはマジョリティ計算に含みません。
 この「各カードを場・手柄・山札のどこに置くのが最もVPに貢献するか」というのを他家のマジョリティも勘案しながら考えるのがこのゲームのユニークな点だと思っています。場のカード展開は強いカードを購入できるか否かでブレる部分が少なからずありますが、マジョリティという潜在的なVPによる勝ち筋があると、最後まで諦めずにプレイすることができます。他ゲーでたまにある「これ絶対勝てないじゃん!おもんな~!」みたいなゲーム体験がめちゃめちゃ少ないのは好きな箇所の一つです。

 また、このルールですが、個人的には先手後手の有利不利を是正する働きもあると思っています。このゲーム、誰かが終了条件を達成するとスプレンダー方式でラス手の手番まで行うのですが、後手ほどマジョリティをより高い精度で計算できます。
 市場にカードが出るタイプのゲームだと、基本的に市場のカードに早く触る権利を持つ先手が有利になることから、ゲームごとに様々なルールで手番差有利・不利の是正が試みられています。一般的なものとしてはリソースに勾配を付ける方法がメジャーなのでしょうか。(ボドゲには詳しくないので断定はできませんが)
 トゥルマのようなアプローチは私が普段遊ぶゲームでは他に見ないので、非常に面白いと思っています。

3. おわりに

 オススメ記事的なものを書くのは初めてなのでめっちゃ拙かったと思いますが、最後まで読んでくださりありがとうございました。

 元ネタを知らなくても楽しめる神ゲーなので、ドミニオンやハトクラのファンは是非遊んでほしいです。毎回違うゲームになるので何回遊んでも味がします。
 今後ですが、モチベが残っていたら攻略記事的なのを書こうと思います。トゥルマ、めっちゃオモロいうえに《ミックス》という競技的なルールまで整備されているのに、攻略情報が少ないの悲しいので……。書き上げたらここにリンク貼っておくのでぜひ読んでください。

 トゥルマはボドゲーマで全セット購入可能です。この記事を読んで興味が出た人は、ぜひ購入をご検討ください。

bodoge.hoobby.net

以上

最終回:いせギルを遊ぶときに意識していること【1夏~編】

 どうも皆さんこんにちは、超合金ロボ『スカーZico』です。

 今回は、1年目の夏以降の立ち回りについて書こうと思います。最後まで読んでもらえたら嬉しいです。

※以降は、「1年目の○(任意の季節)」を「1○」と表記します。ご承知おきください。

 他にも、この記事では文章の見やすさを考慮して、以下に示すような厳密でない言い回しを一部含んでおります。
・ゴールド→金
・パワー→剣
・ジャンクタグ→歯車タグ

1. 1夏で気をつけるべき点

1.1. RANK3に到達する(一部受付嬢を除く)

 基本的に、受付嬢のRANK3到達は1夏が望ましいと考えています。理由としては、
掲示板の報酬や拠点隣の探索でポーションを獲得しやすくなるため、秘薬アクションが埋まってポーションの価値が下がる。
・ほとんどの受付嬢は、ランクアップ時効果によるアドバンテージを1秋に活かせる。
・1秋はグローバルレガリアや探索の折衝に手番を費やす必要があり、好感度解放のための手番が惜しくなる場面がある。
あたりが挙げられます。

 1秋にRANK3になった方がアドバンテージを稼げるような受付嬢は非常に少なく、個人的には
・表アリシア(文明+5金獲得)
・表ハイネ([プレイ枚数]金獲得)
・裏ソフィア([拠点数x5]金獲得)
・表ホワイト(文明±2)
ぐらいしか思いつきません。上記以外の受付嬢であれば、1夏が終わるまでにRANK3到達が理想です。

1.2. 生産が伸びる緑のカードをプレイする

 前回の記事で、名声が付かない大半の生産カードの賞味期限は1春であるという話をしました。それでは、名声が付いているカードはいつプレイするのが理想でしょうか。

 個人的な回答は1夏です。理由としては、1夏であればギリギリ生産フェイズを挟めるため、1夏でプレイできれば、増加した生産量だけ得できるからです。  例えば、王女シャルロット(1+[生活タグ÷2(端数切り捨て)]点)は実質14コスト*1のイベントカードですが、1夏でプレイできれば9金相当(4金+1剣)が生産フェイズに返ってくるため実質5コストでプレイできます。

 ゲーム終了時までに使いたいと思っている緑のカードが複数枚ある場合は、それ以前と同様に最もコストあたりの生産増加量が大きいカードをプレイするように心がけてください。

1.3. 青いカードを打ち切る

 個人的には、使いたい青いカードは基本的に1夏までにプレイするべきだと思っています。
 常時効果(特に、○○するたびに△金を獲得する、という効果)を持つカードについては、大半は金生産の増加が付いていることから1.2. の話と同様のことが言えます。また、特別アクションを追加するカード(特に、ゴールド現物を獲得するカード)については、基本的に2回使って元が取れるように設計されていることが多い印象を受けます。

 以下に、特別アクションが追加されるタイプのカードから簡単に具体例を示しておきます。

1.3.1. 元を取るために2回発動したいカード

・老練の解体職人(1タイル→5+[商売タグ数]金)
蒸留酒(1ポーション→8+[商売タグ数]金)
・魔物料理(1剣→5+[商売タグ数]金)
・迷宮宝石商(1タイル+1ポーション→12+[商売タグ数]金)

 いずれも商売タグの個数を参照することから、1冬~1秋で商売タグを確保しておくことが重要であることをご理解いただけると思います。

 この中でも、名声点がない老練の解体職人と元を取るための条件が少し厳しい魔物料理は1段階評価が下がります。これらのカードは、蒸留酒や迷宮宝石商に比べると比較的コストが小さいので、1春以前にプレイできると良いでしょう。

1.3.2. 1回でも条件次第で元を取れるが、可能であれば2回発動したいカード

異世界の技術(1タイル→5or10+[商売タグ数]金)
・東方の刀鍛冶(1タイル→2or3剣)

 異世界の技術は歯車付きのタイルを払えば、東方の刀鍛冶は商売タグor文明上昇orタイルコストでキャッシュバックを誘発させながら星2以上のタイルを払えば元を取れる可能性があります。
 しかし、どちらも名声点を持たないため、ただ元を取るだけではタイルを払っている分損している可能性が高いです。しっかり1夏以前にプレイして、明らかな黒字を出せるように立ち回りましょう。

1.3.3. 1回使えば元を取れるカード

・大賢者プレッツェル(1ポーション→[歯車タグ数(最大5)]剣)
・デッドライン・パレード(nポーション→2n剣)

 大賢者プレッツェルは歯車3、デッドライン・パレードは3タイルor1奈良とそこそこの使用条件が付いていますが、デッドラインパレードは1探索限定とはいえ余ったポーションを大量の剣に変換でき、プレッツェルは即打ちで9金得しながら3点も貰えます。

 どちらも1回使うだけで強力なカードですが、2回使えたら剣には基本困らなくなります。

1.4. 探索のタイミングを遅らせる(※例外あり)

 1夏からは効率よくリソースを名声点に変換させる意識を持つべきであり、それをふまえると大量の剣を3~4点に変換する行為はお世辞にも強いとは言えません。ましてや、それにゴールドを費やす場合はなおさらです。*2

 初心者がよく犯しがちな失敗に「塞がれるのを恐れて大量の金と剣で探索→息切れしてハードパス→後ろから少ない剣で探索した人に追い抜かれて塞がれる」というものがあります。
 特に、探索でゴールドを浪費してしまうと以降の手番回数が減り、ハードパスが早まってしまいます。それにより、拠点の隣探索でもらったポーションを使えなかったり、不利な盤面で1秋を迎えてしまったりする可能性が高くなります。(少なくとも、終盤での早期のハードパスで盤面が有利になることはありえません)

 探索を後に回すことで、
・自分より後ろの人が探索して、探索コストが下がる
・自分の拠点の隣を他家が探索してポーションを獲得する
・山札から探索前に打ちたいカードを引いてくる
といった都合のよい展開に対する受けを確保できるので、ぜひ意識してみてください。

 しかし、これには例外もあります。典型例は
・前に出ないと探索ルートを塞がれる場合
・後ろの人の探索ルートを塞ぐ場合
の2つです。陣取り争いをすることにインセンティブが生じる場合は、ここまでの話を横に置いて早期の探索を検討してください。

1.5. ボスを狙うかどうか決める

 中ボス(3点)と大ボス(4点)は1手番あたりの点数行動としては最大級であり、4点エリアへと探索していく目的の一つたりえます。
 しかし、4剣→3点や5剣→4点の変換は中々に効率的ですが、20金→3点や25金→4点の変換はかなり効率の悪い部類に入ります。即ち、ここで伝えたいのは、ボスタイルの獲得は1位と≒ではあっても=ではないという点です。

 1夏ぐらいになると、自分がボスを狙えそうか、あるいは狙ったとして剣で探索しきれるのか、といった計算が具体的に行えるようになってきます。この時点で、大量の剣で迷宮を掘り進めてボスを討伐するか、最前線を後ろから眺めて剣を効率よく点数に変換していくか見通しを立てましょう。

 特に「2~3剣で探索できる3点エリア」や「安く取れる変動タイル」は見落とされがちです。がむしゃらに前に出るのではなく、冷静に盤面を見つめましょう。

1.6. 探索は常に最悪を想定する

 3,4点エリアの探索で奈落を引く確率は、有志の検討で概ね20~30%(残っている奈落タイル枚数に依存)であることが判明しています。(以下ブログの4-5参照)

yu-bari-blossom-111.hatenablog.com

 したがって、最低でも奈落ケアカード1枚か、引けなかった場合も冒険者チップに余裕を持たせてサブの探索ルートを確保しておくなどの対策を講じたいです。
 同様に、常に目の前の迷宮タイルの星が1つであることを前提に立ち回るのは"甘え"です。これも有志の検討により、無作為にタイルを表にした場合の期待値は約1.3(奈落を除くと約1.6)であることが判明しています。

rhymof.net

 1夏にまでなってくると探索ルートの変更が間に合わない場合も多いので、裏向きのタイルを探索する場合は奈落or星3を想定し、それぞれによって立ち回りが変わってくるなら復活の祭壇による-1点を承知で予めタイルを捲っておくべきです。

 このような先タイルチェックは、強行探索(5金+1ポーション+1タイル→探索コスト-20)やデッドライン・パレード(nポーション→2n剣とみなして探索)の効果を使う場合も同様です。迷宮ツアーガイド?知らないカードですね……

 また、秋の初手に探索をする可能性がある場合は、いきなり奈落を捲って陣取り争いに敗北しないよう、同様に先タイルチェックを推奨します。(もちろん、手番を消費しない奈落ケア手段を持っている場合は不要です)

1.7. 貢献度MAXへの道筋を立てる

 前提として、貢献度は「+n点」ではなく、「8-n点」で見るようにしてください。つまり、貢献度が9から遠ざかれば遠ざかるほど不利であるという意味です。

 よほど将来の得点につながるようなアクションが他にある場合を除いて、1夏ぐらいの時期から、貢献度MAXのために何個の依頼を最低でも達成する必要があるかを意識して、足りない場合はいくつの貢献度チップを獲得する必要があるか計算してください。
 貢献度チップを取る必要が生じた場合、以降の手番では「何点を獲得できるか」「何金相当のリソースを得られるか」という判断基準に加えて「貢献度チップを獲得できるか」「次の手番で貢献度チップを獲得できる盤面になる可能性を作れるか」といったものが追加されるため、難易度が飛躍的に上昇します。

 そのため、初心者であればあるほど、立ち回りの難易度を下げるためにも1夏終了時点で貢献度MAXが見える程度には掲示板の依頼を達成するべきだと私は考えています。
 コツは可能な限りドローを行い、有効牌を引く確率を上げることです。やりたい動きと掲示板依頼達成との両立は多少の慣れが必要だと思いますが、ぜひ頑張ってみてください。

2. 1秋で気をつけるべき点

2.1. キャッシュバック系は後ろに引っ張る

 1秋というのは、ゲームスピードとリソース量的に「○ゴールド/パワーを獲得する」という効果のカードに最も脂が乗る時期です。1夏では出力が今ひとつですし、2冬はゲームスピード的にそんなイベントカードをプレイする余裕がありません。

 1秋の理想的な動きは「点数行動→キャッシュバックが最大化したイベントカードAをプレイ→点数行動→キャッシュバックが最大化したイベントカードBをプレイ→点数行動→(以下ループ)→レガリアをプレイ→ハードパス」というものです。(もちろん、必要に応じて途中で特別アクションなども含めます)

 このような動きを成立させるためにも「○ゴールド/パワーを獲得する」というテキストを含んでおり、かつ使用によって黒字が見込めそうなカードは以前から抱えておくことを心がけましょう。

2.2. 「実質何金で何点取れるか」を意識する

 上述したキャッシュバック系のカードですが、黒字が見込めない場合でも名声を得られるカードは「実質○金で△点」を計算して、それが妥当と感じるなら抱えておきましょう。  このとき、基準になるのがレガリアと拠点化です。レガリアが概ね10金→4点、拠点化が概ね15金→4点であるため、これらを基準に妥当性を確認してください。

 これらの話は、他のイベントカードにも適用できます。常時効果のキャッシュバックを計算に含めるように気をつけながら、点数行動を定量的に評価してください。

 このような計算をすると、明らかに点数効率が突出した領域が存在することに気がつくでしょう。そうです、グローバルレガリアです。

 私がグローバルレガリアを獲得する基準は2つで、
・他の点数行動は後ろに回しても問題ないか
・10+[減少するキャッシュバック]金として見て妥当か
というものです。
 前者は探索が典型例で、他家に探索ルートを塞がれた場合に以降の剣→名声の変換効率が著しく減少する場合は、グローバルレガリアを後回しにしてそちらを優先します。
 後者は具体例を示しましょう。グローバルレガリアの獲得によって新型馬車の開発(16金→[生活タグ数+商売タグ数]x2金)の前にギルド倉庫の大掃除(一時的に商売・生活・歯車タグ獲得)がプレイできなくなった場合、新型馬車の開発によるキャッシュバックが4金減ることから、そのグローバルレガリアは実質10-2+4=12金のコストとみなせます。
 これぐらいなら個人的には全然許容ですが、実際はケースバイケースです。これと同様の計算を行い、グローバルレガリアの実質的なコストを考慮して獲得を検討してみてください。

2.3. 他家の探索リソースに目を配る

 前提として、これは自分と同じルートを探索している相手に対して行う計算となっております。

 他家の探索に費やせる最大リソースは「[所持ゴールド]+[所持パワー]x5+[所持ポーション]x3+[所持手札枚数]+X(常時効果)金」と公開情報だけで計算できます。これにより、他家の探索先が公開されていたら99%、非公開でも場合分けが99%の精度で行なえます。
 これにより、相手がこちらの前を塞げるのであれば先にケアして動かなければなりませんし、相手が2回連続で探索できるほどにリソースが余っている場合は、こちらも並走できるリソースを常に残さなければなりません。(後者については、無星ジャンクが2回捲れた場合を想定しておくと安全側になると思います)

 ここで、「99%」という単語を使っているのは遊戯王GXが好きだからではなく、強行探索(5金+1ポーション+1タイル→探索コスト-20)というカードがあるためです。強行探索の真髄は、実質12金の利得を発生させている点ではなく、上述の最大リソースに+12のバフを盛れる点にあります。
 そのため、強行探索を自分が引くか他家がプレイするまでは、上述の計算式に常に「+12」を見込む必要があります。現実問題、そこまでの余裕が確保できるかはケースバイケースですが、陣取り争いのドロップアウトボーイとならないためにも強行探索の有無には意識を回しておきましょう。

 強行探索の他にも、手番を費やすことで探索リソースを増やせるカードは多くあります。ここでは、「1枚で比較的容易に10金相当以上のリソースを増やせる」という観点で警戒するべきカードを紹介しておきます。
 余力があれば、これらのカードを他家がプレイしていないかカウンティングしましょう。逆に言えば、これらは終盤の探索でも役立つカードなので、終盤に引いた時も上手に活用してください。

・異界渡りのクッキー(14金→1ポーション+[文明+5]金)
 ポーションが3金相当なので、実質的には[文明+8]金が返ってくるので、差し引き[文明-6]金が増えます。(例:文明20なら+14金相当)

・ダイナマイト・パーティ(11金→5剣)
 実質的には+14金相当です。

・超合金ブレード(9金→[剣生産÷2(端数切り捨て)]剣)
 実質的には最大で+16金相当です。これ自体で剣生産が1増えるので気をつけましょう。相手の剣生産から脅威度を推定可能です。

・奈落砲(条件:拠点、15金+1タイル→5剣+1ポーション)
 実質的には+13金相当です。条件:拠点のため、拠点持ち相手は要警戒です。余談ですが、進路を奈落で塞がれないように気をつけましょう。

・新型馬車の開発(16金→[生活タグ数+商売タグ数]x2金)
 個人的にはキャッシュバック系カードで最強だと思っています。実質的には+[生活タグ数+商売タグ数-4]x2金相当です。自身のタグも含むため要注意です。

・迷宮砦の三勇士(8金→4剣)
 実質+12金相当です。条件:拠点のため、拠点持ち相手は要警戒です。

・デッドライン・パレード(15金→1ポーション、特別アクションでnポーション→2n剣)
 何回登場すれば気が済むねん。このカードで1ポーション(≒2剣)を獲得するため、実質的には+[7xポーション数]-5金相当です。(例:使用前に3ポーション所持→+16金相当)ポーション数で脅威度は推定可能です。

2.4. 1秋で世界が終わるか見極める

 ゲームの終了に最も近づく行為は、探索です。ボスタイルは星の数が決まっており、変動タイルも必ず星2 or 星3であることから、上述した探索リソースを全プレイヤーに対して計算すれば1秋でどこまで瘴気濃度が下がりうるかはある程度推測できます。(例えば、これから変動タイル2つと大ボスが1秋で取られるなら、瘴気濃度は今から概ね10程度下がるだろう……みたいな感じですね)

 全員が上振れを起こしている場合、1秋で全員がイベントカードを全て叩く前にクライマックスフェイズに突入するケースが存在します。
 この際、初心者が犯しがちな失敗に「のんびりとキャッシュバック系のイベントカードをプレイしていたら、いつの間にかクライマックスフェイズを迎えて点数行動を余したままゲームが終了してしまった」というものが挙げられます。いせギル紹介マンガのハイネみたいな感じですね。
 これを防ぐためには、世界の残りの瘴気濃度に注目して、全員が本気を出したらゲームが終了しそうな場合はキャッシュバックの効率化を妥協して、点数行動を早めていく必要があります。

 ただし、必要以上に焦っても自分の1人負けに終わってしまううえに、誰かがゲームの終了に非協力的だと意外と終わらない……みたいなこともあるので、こればっかりは回数をこなして「相手はいま何をしたそうか」「どのタイミングでゲームを終わらせたいのか」という視点で周囲を観察してください。*3

2.5. 2冬以降の点数行動を残す

 これは周囲のリソース的に1秋にゲームが終了する可能性がほとんど0になった際に意識する点です。

 大前提として、1秋で行える点数行動は1秋で全て行ってください。そのうえで、ゲームが続きそうな場合は2冬以降も見据えて多めに点数行動を確保しましょう。
 2冬で避けるべきは「4点以上の点数行動が尽き、1巡のたびに相対的に点数が不利になる」というケースです。クライマックスフェイズで最低2回の手番が来ることを踏まえると、最低でも3つ、可能なら4つ以上の点数行動を確保して2冬を迎えるのが理想になります。

 このような状況での失敗の典型例として「1秋にレガリアをプレイするために手札の点数行動用のカードを捨てたら、思ったよりもゲームが続いて失速してしまった」というケースが挙げられます。こうならないためにも、ゲームの終了タイミングの見極めは非常に重要です。

 このように書くと難しそうに感じるかもしれませんが、迷ったら「4点の支配エリアを探索」「4点エリアの拠点化」をすれば良いのでそこまで難しくはありません。(余談ですが、これらの二択の場合は、探索のほうが名声付きのタイルや宝箱で点数が上振れる可能性があります)
 「1.7. 貢献度MAXへの道筋を立てる」で述べた内容と少し似ますが、名声は相対的なものであることを認識しておいてください。

3. 2冬で気をつけるべき点

3.1. 評価基準は「1手あたり何点か」

 2冬で行うアクションの判断基準はただ1つで、それは「1手あたりに獲得できる名声点の大きさ」です。

 ものすごく大雑把な優先度としては「拠点化付きの緑のカード>その他の緑のカード(5点以上)>素点付きの拠点化カード>4点エリアの探索≧4点エリアの拠点化」です。(レガリアは物によって振れ幅があるので敢えて除外しました)
 手札のカードを良く読んで、最も点数が伸びる行動を淡々と取っていきましょう。

 このとき、一つ注意するべきなのが「同点の場合、拠点数で順位が決まる」というルールです。即ち、4点相当のレガリアやイベントカードよりも、4点エリアの拠点化の方が同じ4点行動でもより"勝ちに近い"ということを意識しておいてください。

4. おわりに

 最近いせギルのブログを書いている方を見かけたので、初心者なりに思考整理で記事を書いてみました。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

 いま見返すと、3回で細かい書式が違っていたり、章立ての順番が思いつきベースで乱雑な点が気になるので、気が向いたら全部まとめて一つの記事にするかもしれません。

 私の周辺の界隈(ふるよに)で「いせギルはハードルが高い」という声をチラホラ聞くので、初心者代表の私が最近遊んで何となく気がついた点を書き留めてみました。
 ここまでの内容を何となくイメージしながらプレイできるようになったら、60~70点ぐらいは比較的安定して出せるようになるのではないかと思います。

 私は早く100点を出して†初心者卒業†したいと思っているので、関東のふるよに会で同卓する方は†対戦よろしくお願いします†

 感想とか質問とかあったら私のDMまで気軽にご連絡ください!ではでは~

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*1:記載コストは17ですが、プレイした瞬間に1ポーション(3金で売却できる)が獲得できるため、元手さえ用意できていれば支払うコストは差し引き17-3=14となります。

*2:もちろん、剣が大量が余っている場合は例外ですが、1春に真・龍墜乙女を使ったとかでない限り、そんなことは滅多に起こりません

*3:余談ですが、瘴気濃度に対して文明の上がり幅を推定するのは非常に難しいです。理由としては、キャッシュバックが生じる系のカードは文明が上昇するケースが多く、周囲のゴールド総量が同じでも文明の上がり方はゲームや貢献度チップの状況などで大きくブレるためです。

第2回:いせギルを遊ぶときに意識していること【1冬・1春編】

 どうも皆さんこんにちは、スカZico傭兵団です。前回の記事を書いた週末にふるよに会に行ったら、意外と読んでくれた人が多かったらしいので、2回目もちゃんと書きます。

 今回は、1年目の冬~1年目の春の立ち回りについて書こうと思います。最後まで読んでもらえたら嬉しいです。

※以降は、「1年目の◯(任意の季節)」を「1◯」と表記します。ご承知おきください。

 他にも、この記事では文章の見やすさを考慮して、以下に示すような厳密でない言い回しを一部含んでおります。
・ゴールド→金
・パワー→剣
・ジャンクタグ→歯車タグ

1. 1冬で気をつけるべき点

1.1. 1金単位でちゃんと計算する

 このゲームでは実質的に3回*1しか生産のタイミングがあります。したがって、ゲーム開始時に手札に抱えた生産を伸ばすカードが1冬と1春のどちらで使えるかは非常に重要です。

 最初の手札をキープする段階で「1年目の冬にはこのカードまでをプレイする」という指針を立てて、遂行できるようにゴールドを残してください。3金でキープした手札を1金で売却するようなケースは、後から強いカードを引いた場合以外は避けましょう。

 私の場合、手札に抱えるカードを決めるときは「実質何コストで何ゴールド相当の生産が伸びるか」という基準で選んでいます。  

 もう少し具体的に話をすると、  
(1)手札に抱える=3金
(2)1剣=5金
(3)タイル獲得=5金
(4)1ポーション=8金  
(5)1ドロー=3金
と換算して、最後にコスト軽減やキャッシュバックの分だけコストを低く見積もっています。*2こうすることで、そのカードが実質何コストで実質何金の生産を増やしているのかが計算できます。

 例えば、表ミーシャ(15コスト以上のイベントカードをプレイで2金バック+2金生産)の龍墜乙女は、
コスト…3(手札に抱える)+23(龍墜乙女のコスト)-2×5(2剣現物獲得)-2(ミーシャ効果で2金現物獲得)=14
生産…-2(-2金生産)+2×5(+2剣生産)+2(ミーシャ効果+2金生産)=10
1金あたりの生産増加量…10÷14≒0.7  
といった計算になります。

 しかし、この計算ではタグを定量的に評価できません。このゲームでは、プレイ条件の厳しさと1金あたりの生産増加量は基本的に正の相関があります。*3実際は、カード単体での生産効率ではなく、タグ獲得も含めた広い範囲で計画を立てる必要があります。  

1.2. ポーションは早めに獲得する

 秘薬アクションの、特に「1ポーション→8金」と「1ポーション→2剣」を1冬で踏めるかは重要です。これらが踏める場合、実質的にポーションを獲得するイベントカードを8~10コスト安くプレイできます。
 秘薬アクションを踏むには、基本的にポーションを獲得するための手番と、秘薬アクションを踏む手番とで最低2手番が必要になります。つまり、他家のポーションの個数を見れば、自分がポーションを獲得した際に秘薬アクションを踏めるかどうかは簡単に推測できます。

 しかし、この際に注意するべきパターンが3つあります。抽象化すると「ポーションを獲得するための手番を圧縮できるケース」ということですが、ここでは具体的に解説します。

(1)受付嬢効果
 具体的には、「表シオン」「表セレン」「裏セレン」「裏エル」です。
 表シオンは初期資産に1ポーションを持ち、表セレンと裏エルは初手で「ポーションを獲得するイベントカードをプレイ→秘薬アクション」を行え、裏セレンは他家が浮遊ラボの隣を初手で探索することでポーションを獲得できます。したがって、彼女らはポーションの獲得に手番を費やさずに秘薬アクションを踏めます。
 表セレンと裏エルは引いたカードによるので確実ではありませんが、彼女らが受付嬢のプレイヤーよりも上家の場合は、秘薬アクションを先に踏まれる可能性を想定して動きましょう。

(2)プロローグ効果
 具体的には「ひょんなことから…」からポーションを獲得するイベントカードをプレイされた場合と、「無謀な迷宮行」でポーションを獲得する迷宮タイルを獲得された場合です。
 自分が、これらのプロローグでポーションを獲得したプレイヤーの下家でかつ「不思議な図書館に迷い込んだ」「森妖精の里に墜落した」を使う場合は、狙った秘薬アクションが踏めない想定で手札に抱えるカードを考えましょう。

(3)イベントカード効果
 具体的には「死霊王の大軍勢」「スライムの異常発生」で全員が1ポーションを獲得する場合です。
 これらのカードを使われた人たちは即座に秘薬アクションを行う権利を貰えます。はっきり言って初手でこれらのカードを打つのは頭がおかしい*4と思うので、ケアする必要はありません。

1.3. サブルートの確保

 1冬でありがちな失敗として、
(1)1ポーション→8金が踏めなくてゴールドが足りない
(2)先に奈落を浄化されて迷宮タイルが足りない
(3)安い場所に歯車タグ付きの迷宮がなく、歯車タグとゴールドの両方を準備できない
といったパターンが挙げられます。上述したように1冬で生産を伸ばすことは非常に重要であるため、このような不慮の事故に遭った場合でも妥協策を用意したいところです。  

 共同の領域に干渉する奈落浄化・秘薬アクション・探索は他家の手番をはじめとする不確定要素が多いため、失敗した際の立ち回りを考える必要があります。
 最初の手札をキープする段階で、一番うまく行ったときから一番うまく行かなかった場合まで、段階ごとに何をするか計画するのが理想です。  

1.4. ズルカードを迎える準備をする

 ズルというのは叶うものではなく叶えるものなのです(?)
 いせギルというゲームはズルいカード*5がそれなりにあります。しかし、それらを活かすには相応の盤面作りを要求されるケースが多いです。
 ただ「ズルしろ!」って言いながらカードを引くだけではなく、使えるズルカードの範囲が広くなる立ち回りを心がけましょう。

より具体的に言い換えると、
(1)可能なら拠点を作っておく
(2)可能な限りタグを増やす
(3)可能な限り多くのカードをプレイする
(4)可能ならタイルを確保しておく
といった感じです。

 強いカードを引いたときに、スムーズに使用してゲームプランを確立できるように構えることが重要です。  

 また、このような意識を持って動けると、他家が掲示板に貼った依頼に相乗りしやすくなります。  

1.5. 掲示板の折衝

 前提として少し乱暴な話をしますが、このゲームは基本的にハードパスにかかるまでの所要ターン数と有利状況には正の相関があります。
 そのため、掲示板の権利のためにやれることを残してハードパスをすることは基本的に非推奨です。これらを踏まえて、以降の話を読み進めていただけたらと思います。

1.5.1. 依頼の優先度

 個人的な依頼の優先度は、以下の通りです。
(1)すでに自分が達成している
(2)次の季節で概ね達成できる
(3)次の季節で達成できなさそうだが、他家も達成できなさそうである
(4)次の季節で他家に達成されそうである

 まずは、自分が達成できる可能性が最も高い依頼を選びましょう。他家のことを考えるのは、トップタイだった場合だけで大丈夫です。

1.5.2. 依頼を置く場所

 自分が達成できそうな依頼で置き場所に迷った場合は、「なし」を飛ばした右下から左上(2ドロー→ポーション→貢献度+1→1剣→3金→なし)がオススメです。
 対して、自分が達成できなさそうな依頼しか引けなかった場合は、上述の逆の優先順位で依頼を置くと良いでしょう。

 また、掲示板の達成チェックは右上から左下に行うというルールがあります。基本的には誤差ですが、一部には剣やポーションの現物を参照する依頼があるため、それらを引いたときは依頼達成の報酬を鑑みるかを考慮しましょう。

2. 1春で気をつけるべき点

2.1. ランク2到達で生産を伸ばせるか検討する

 1年目の春には、2つ以上の好感度を解放してランク2に着地して、生産を伸ばせると理想的です。

 1冬のランク2着地はカードの引きによる割合が大きいですが、1春になれば「支配エリア3つ」「イベントカード8枚以上プレイ」が狙えるようになります。さらに、単純なカードを引く枚数も増えるため、好感度を解放できるカードを引く確率も高まります。  

 第1回の記事でも説明したように、このゲームで高得点を狙う場合ランク3到達は必須です。その前提に基づくのであれば、せめて生産が上昇するランク2(=2箇所)までは早い時点での解放を目指すべきです。

 また、これぐらいの段階で冒険者チップを増やしておかないと、1夏以降の陣取り争いで後手に回りやすく、4点エリアへのルートを断たれたり、ルート確保のために剣現物などを用意する前に探索することを強要されたりと、不利な状況を招きやすいです。  

 特に、下の2箇所の好感度解放は、ノーコストでパスしながらカードを引けるアクションです。現在の手札よりも強いカードを引く可能性もあるため、陣取り*6や秘薬アクションなど、急いでするべき事項がなければ優先して行うべきです。(通称:先ドロー警察)

 典型的な1春でのランク2到達ルートは、
(1)3剣 or 好感度解放系カード+解放した冒険者チップで探索して3エリア解放…裏面で剣が十分な際に取ることが多いルートです。
(2)3剣 + イベントカード8枚プレイ解放…表面で探索を重視していない場合に取ることが多いルートです。他にも「異世界の雑貨屋」「新人教育制度」「異世界絵物語工房」などに冒険者チップを乗せた場合は、必然的にこのルートを狙うことになります。
の2つです。上段の現物系を2つ以上解放すると以降の拡大再生産で出遅れやすいので、下段も上手く使いながら好感度解放を狙いましょう。

 ここまで理想的な話をしましたが、実際には引きが下振れたりしてランク2に着地できない場合も珍しくありません。その場合は、探索は他家よりも優先度を少し落として、後から安いルートを探索していくつもりで内政に力を入れましょう。

2.2. 冒険者チップをリソース獲得手段として使うか検討する

 冒険者チップはゲーム終盤に4点エリアを探索できるように上手に配置していく必要がありますが、そのためには最後まで探索し切れるリソースを用意することが不可欠です。
 加えて、4点エリアは計10個しかないことから、平等に分配すると4点エリアに置ける冒険者チップは一人当たり2〜3個となります。そのため、最短ルートで走って全ての冒険者チップを4点エリアに置くことは現実的ではありません。

 このゲームの冒険者チップは最大で初期2+好感度解放5+2冬の追加冒険者1の計8個です。
(1)入口として1点エリア用に1つ
(2)前に進むために2点エリア用に1つ
(3)右ルートや奈落による迂回、他家の妨害を想定して3点エリア用に2つ
(4)点数のために4点エリア用に2つ
と計算しても冒険者チップの合計は1+1+2+2=6枚であり、この場合は追加の冒険者も含めれば2つ程度の余裕があります。

 この余剰の冒険者チップの使い方は様々ですが、私が思いつくものを書いていくと
(1)1点エリアの拠点隣を探索してポーションを獲得する
(2)1点エリアの安い場所を探索して3エリア解放をする
(3)安い場所を探索して所持タイル数の条件を無理やり達成させる
(4)どうしても獲得したいタイル(歯車・宝箱など)を獲得する
(5)冒険者チップを乗せるカードを使用する
などがあります。
 私がこれらの動きを検討する際の指標として「その動きによって特定のカードを1季節早く使えるか」というものがあります。
 例えば、拠点の隣を探索することで3ポーションが溜まって真・龍墜乙女を前倒しでプレイできるのであれば、私はノータイムで拠点隣を探索します。なぜなら、その動きは「冒険者チップ+n剣→17金*7+真・龍墜乙女の生産1回分(=実質21金)」とみなせるためです。

 ここまで極端でなくても、冒険者チップを消費するイベントカード以上の利得が見込める動きが狙える場合は、私は積極的に冒険者チップを消費して良いと考えています。(この辺の話は諸説あり……かも)

 しかし、冒険者チップをイベントカードに使う場合の典型的な失敗例として「イベントカードの上に冒険者チップを乗せたことで探索できず、動きが止まってしまう」というものが挙げられます。
 動きが止まるというのは、
・支配エリア3つによる発展ができない
・探索で歯車タグや迷宮タイルを確保できず、それらが条件のイベントカードをプレイできない
あたりを指します。

 冒険者チップを使うイベントカードというのは、具体的には
異世界絵物語工房(冒険者チップ+8金→3種タグ+3金生産)
・新人教育制度(冒険者チップ+7金→3剣+1剣生産)
異世界の雑貨屋(冒険者チップ+15金→商売歯車タグ+5金生産+11~金獲得)
の3枚を指します。
 これらは、安価でタグや現物の資産を獲得できる、序盤の拡大再生産の下地となる優秀なカードです。しかし、ランク2到達前に使用すると、支配エリア3つ以上による好感度解放はランク2になるまで踏めなくなってしまいます。
 ちなみに、異世界ラーメン食堂(14金+冒険者チップ→商売タグ1ポーション+2金生産+3点)は罠です。そのお金と冒険者チップで拠点の隣を探索してください。

2.3. 名声が付かない生産カードを打ち切る

 イベントカードをプレイする目的はいくつかありますが、生産量を増やすだけ(≒現物や名声を獲得しない)のカードの大半*8は、1春が賞味期限です。
 第1回でも話したように、このゲームで生産したリソースを使い切れるのは基本的に1秋が最後であり、1夏に増やした生産量は1回しか恩恵を受けられません。

 「2回の生産でペイできる」と「1回の生産でペイできる」とでは該当するカードの範囲が雲泥の差です。「このカードで増えた生産量は、何回反映されるのか」という視点を持って、プレイするイベントカードを吟味するようにしましょう。

2.4. 掲示板の達成状況を意識する

 掲示板の報酬(金・剣・ポーション)は、資産が少ない序盤ほど影響が大きいです。したがって、それらの置かれた場所の依頼は常に達成できないか意識しましょう。

 カード単体で評価したら弱い場合でも、それをプレイすることで依頼を達成できるのであれば、実質的にはそのカードに名声点や報酬が書いてあるように扱えます。
 1冬で決めていたルートに固執するのではなく、冷静に掲示板を見て一番利得が見込めるゲームプランを立てましょう。

2.5. イベントカードをプレイする順番を意識する

 「2.1. ランク2到達で生産を伸ばせるか検討する」でも少し述べましたが、このゲームは1枚で話を変えるようなカードが多いので、可能な限り先にドローをするべきとされています。
 このことを踏まえると、個人的には「ドローカード→常時効果などでキャッシュバックが見込めるカード→剣現物を獲得できるカード or 安くて生産が伸びるカード」という順番でイベントカードをプレイすることをオススメします。この順番で打つことで、余ったゴールドや不要な手札を上手に活用できます。

 しかし、ドローカードをプレイしすぎる余り他のカードがプレイできなくなっては本末転倒です。使ってはいけないゴールドにまで手を付けないよう、1冬と同様に1金単位でしっかり計算しましょう。

3. 次回予告

 次は1夏・1秋(・2冬)の立ち回りについて書こうと思います。次回も1ヶ月以上かかると思うので、のんびり待ってもらえたらと思います。

 感想とか質問とかあったら私のDMまで気軽に質問して大丈夫です。それでは、次回もよろしくお願いします!

twitter.com

*1:厳密には2冬までもつれこむと4回ですが、私の環境では2冬だと1周目にクライマックスフェイズに突入するので、20金増加も加味すると生産量の多寡は誤差になりがちです。

*2:1剣と5金と使い勝手が違う、1ポーションは秘薬アクションが踏めないと3金になる、など厳密には正しくない箇所もありますが、ここでは割愛します。

*3:具体例を挙げると、同じ+2剣生産でも謎のSF銃(条件:2歯車)は6コストであるのに対して、武具工房との専属契約(条件なし)は20コストです。

*4:これらを使った人は1ポーション→8金と1ポーション→2剣を踏めない

*5:ズルいカードというのは主観に基づきますが、ここでは支払うコスト以上の現物が獲得できるカードをズルカードと定義しましょう。

*6:他家に妨害されずに安全に名声点の高いエリアへの探索できるようなルートを確保することを、このように呼んでいます。

*7:2ポーション(2x3=6金)から23金のカードをプレイしているので、この瞬間に得られたポーションは23-6=17金の価値があると考えられます。

*8:ただし、第1回で紹介したような、コストの大半が次の生産で取り返せるようなカードは例外です。(真・龍墜乙女、謎のSF銃、迷宮実験場など)真・龍墜乙女に至っては普通に点数カードとしても強いので、なんだか不思議な気持ちになりますね。

第1回:いせギルを遊ぶときに意識していること【ゲームの準備編】

 どうも皆さんこんにちは、昼飯を買いに行った人の席を略奪していせギルを遊んだスカZicoです。

 今回は、関東のふるよに界隈でよく遊ばれている神ゲー異世界ギルドマスターズ(以下:いせギル)」について、記事を書こうと思います。

h-pencil.com

 私自身は、最近このゲームをよく遊ぶようになった†初心者†なので、一部誤った話を展開している可能性もあります。そのときは、生暖かい目で見てもらえると助かります。(もちろん、熟練者の方からのご指摘も歓迎です。Twitterで見かけたらこっそり修正するかもしれません)
 どちらかと言えば私の思考整理の側面が大きいですが、最近遊び始めた人や知見の差にハードルの高さを感じている人が、埋め合わせのために読んでもらえたらと思います。

※文章の見やすさを考慮して、一部厳密でない言い回しを含んでいます。
・ゴールド→金
・パワー→剣
・ジャンクタグ→歯車タグ
あと、好感度解放と発展あたりの表現が不正確な場合もあるかと思いますが、ニュアンスを読み取って流してもらえたらと思います。

1. 想定環境

(1)4 or 5人プレイ
(2)基本セット+迷宮大変動+迷宮都市の群像劇
(3)掲示板あり
(4)大深度迷宮
(5)ハッピーエンドを求めて
(6)『汚染領域』採用(ただし瘴気濃度=人数×15、追加でもふもふパークの開園もB面)

 基本的に1年目秋か、遅くても2年目冬の1,2周目にクライマックスフェイズを迎える環境で遊んでいます。

2. ゲームの準備

 ここでいう準備はゲームを始めるための準備ではなく(そんなものは説明書を読んでください)、セットアップでオススメするカードの選定を指します。

2.1. おすすめ受付嬢

 配られたカードで勝負するしかないのは正論ですが、ここではゲームプランが分かりやすくて個人的に扱いやすいと感じている受付嬢を紹介します。

2.1.1. 表ピエリア(チュートリアル妖精)

 初めから実質54(30+3x8)ゴールドと26(18+5+3)ゴールド相当の生産力という圧倒的な初期資産をもつ受付嬢。私の周りでは、初回はピエリア+10金で遊んでもらう場合が多い印象を受けます。

 初めて遊ぶ人は初期手札で何をキープするかもよく分からないと思いますし、そもそもこんな記事を読まないと思うので無難にピエリアで遊びましょう。

 2回目以降に遊ぶ方向けの受付嬢は、これから書きます。

2.1.2. タグ参照系受付嬢

 具体的には、
(1)表アリシア(商売タグ3金)
(2)表ソフィア(生活タグ3金)
(3)裏ホワイト(歯車タグ1剣)
の3人です。特定のタグを並べてからタグ数参照のカードをプレイするといった具合で、強い動きが非常に明確なため、ゲームプランで迷うことが少ないです。

 それぞれの受付嬢に対応したタグが「名声獲得」の欄に書いてある緑色のカードは絶対にキープしておきましょう。

2.1.3. 裏セレン

 「浮遊ラボ」という任意の迷宮の外周に置ける拠点を初めから持っており、特別アクションも使えば序盤に安定して2~3ポーションを獲得できます。これにより、1冬から秘薬アクションで資産を増やしたり、好感度開放でランクアップできます。
 また、秘薬アクションの剣獲得と拠点化を踏みやすく、さらにRANK3到達時効果で他プレイヤーよりも冒険者チップを1つ多く持てるため、迷宮探索で得点を稼ぎやすいです。
 「他のプレイヤーと力を合わせて効率良く4点エリアに着地して、最後は4点エリアの拠点化で得点を稼ぐ」という典型的な勝ちパターンに持っていきやすく、上手に拠点化できれば中盤以降も安定してポーションを獲得でき、非常に柔軟性があります。
 

2.2. おすすめレガリ

 迷ったら火吹き山のドラゴンと3点レガリアを除いて、達成しやすそうなレガリアを選びましょう。
 3点レガリアは4点エリア拠点化が概ね15金→4点の点数行動だったり、同程度の効率で勝利点に変換できるカードの多さを踏まえると、あまり出番はありません。火吹き山のドラゴンについては、35金で購入するよりも、4パワーで4点エリアを探索して15金で拠点化したほうが強いです。

 タグ数・タイル数を参照するレガリアは爆発力がありますが、少し難易度が高いです。受付嬢の常時効果に対応するタグの場合はノータイムで抱えて良いと思います。

2.3. おすすめプロローグ

 これも受付嬢と同じように運ですが、獲得できる初期資産の現物が少ないプロローグは避けた方が無難です。迷ったら、2剣か8金を獲得できるものを選びましょう。
 ここでは、その中でも特にオススメできる使いやすいプロローグをご紹介します。

2.3.1. 傭兵団の下働き

 6ゴールドというプロローグとしては最低限のゴールド獲得に加えて、実質8ゴールド(-2+2x5)というプロローグでは最も大きな生産増加量を持ちます。雑に強いので迷ったらコレで良いです。

2.3.2. 森妖精の里に墜落した

 山札を上から見て最も気に入ったカードを獲得できるプロローグで、ぶっちゃけ2ドローよりも強い効果を持っています。しかも、8ゴールドもちゃんと貰えておまけに生活タグも獲得できます。

2.3.3. 捨て猫を拾った少女

 基本的にはコスト:2ポーションを開放します。(序盤のポーションは拡大再生産のために貴重で、下の2つはコストがかからないのでわざわざ選ぶ必要がないからです)
 一見すると書いてある数が小さくて弱そうですが、何らかの手段で3パワーを確保できれば1冬からランク2に到達できるので、実質的には「5ゴールド+ランクアップ時効果+1ドロー」まで価値が上がります。特に、ランクアップでタグを獲得できる受付嬢と相性がよく、好感度開放で引いたカードを見てから1春の情報収集フェイズでキープするカードを選べるので動きが安定します。

2.4. おすすめ初手

 基本的にマリガンは5枚推奨です。迷ったら以下のツリーで紹介されているカードを捨ててください。

 この時点で優先的にキープするべきカードは以下の通りです。

2.4.1. 名声がマイナスの青いカード

具体例
(1)借金生活(0コスト10金獲得)
(2)不治の病(0コスト好感度解放)
(3)運命の出会い(4コスト3ドロー)
(4)あの日の誓い(12コスト2ドロー+5金生産)

 これらは使った瞬間に大きなアドバンテージを獲得できる代わりに、ゲーム終了時までに裏返さないとマイナス点になるという特徴があります。
 特に、借金生活や不治の病は-3点が非常に大きく見えますが、この時点で10金前後節約すると拡大再生産的に将来は10金以上になるため、3点分以上の大きなアドバンテージを稼げます。*1  これらのカードを運よく引けた場合は、ノータイムで1冬に打って問題ありません。

 ちなみに、あおじるサーバーというカードは名声がマイナスの青いカードではありますが例外です。引いても打たないように我慢してください。*2

2.4.2. 常時効果でゴールドを獲得できるカード

具体例
(1)馬宿の誓い(商売タグ2金)
(2)生活協同組合(生活タグ2金)
(3)異世界技術開発チーム(歯車タグ2金)
(4)白亜の城と路地の空(文明上昇3金)
(5)もふもふパラダイス(タイル獲得2金)
(6)迷宮七不思議(探索成功2金)

 これらは1冬で使用できれば、ほぼ確実に常時効果でコスト分が回収できるので基本的にキープして大丈夫です。

 しかし、少しだけ念頭に入れて欲しいのは「いまその効果を使わないのであれば、急いでプレイする必要はない」ということです。例えば、馬宿の違いや生活協同組合は所詮は金生産+2なので、今すぐ商売タグや生活タグを獲得する目処が立っていないのであれば、他のカードを使用してより多くの生産を伸ばすべきです。

 安定感は少し下がりますが、
(1)異世界デザートの開発(人物タグ5金)
(2)貴族のパトロン(コスト15↑3金)
(3)大魔導の気まぐれ(タイル破棄3金)
(4)迷宮瘴気の有効活用(奈落獲得5金)
あたりもオススメです。条件を満たせるカードと一緒に配られた場合は、優先してキープしていいと思います。

2.4.3. 条件なしでポーションを獲得できるカード

具体例
(1)賞金首モンスターの張り紙(商売タグ)
(2)クラーケン・パニック(パワー生産・奈落配置)
(3)禁じられし女神の像(1ドロー)
(4)異界渡りのクッキー(概ね1秋に20〜30金獲得)
(5)異世界技術開発チーム(歯車タグ2金)
(5)もふもふパラダイス(タイル獲得2金)

 一部カードが2.4.2.と重複しているのは気の所為ではありません。重複していればいるほど強いと思ってください。
 獲得したポーションを8金や2剣にすることで、動ける手番を増やして拡大再生産を加速させられます。
 8金であれば「イベントカード8枚プレイ」、2剣であれば「支配エリア3つ」を達成しやすくなるため、動きが安定します。

 席順の都合でこれらのカードで「1ポーション→8金」や「1ポーション→2剣」が取れない場合は、これらをプレイする優先度はかなり下がります。

2.4.4. コスト以上のパワー現物を獲得するカード

具体例
(1)ゴロツッキーズ(5金→2剣+1ドロー)
(2)メタルクラッシャーズ(11金→4剣)
(3)ダイナマイト・パーティー(11金+名声-2→5剣+1剣生産)

1冬でパワー現物を獲得するカードをプレイすると、
(1)探索して歯車タグや迷宮タイルを必要とするカードをプレイできる。
(2)3パワー発展で1ドロー(+ランクアップ)できる。
(3)拠点の隣を探索できれば、ポーションを獲得できる。
といったメリットが見込めます。特に、ゴロツッキーズやメタルクラッシャーズは文明4以下で追加効果が発動するので、確保できた場合は他の人が文明を上げる前に使いましょう。

2.4.5. 好感度開放できるカード

具体例
(1)不治の病(0コスだが、裏返さないと-3点)
(2)偽装結婚(生活タグ)
(3)踏破記念祭(条件5文明+生活タグ)
(4)花の妖精エクレア(勝利点)

 前提として、いせギルというゲームで高得点を狙う場合は基本的にゲーム終了時までに最高ランク到達が(全解放)が必須になります。理由としては、
(1)終盤は4点エリアを探索することになるため、1冒険者タイルは概ね8点(4点エリア+拠点化)になる。
(2)受付嬢の最終ランクアップ時の効果は大抵強力である。
(3)レガリアの条件に好感度全開放が多い。
(4)そもそも最終ランクの受付嬢に2〜4点が付いている。
などが挙げられます。

 このような前提なら、少しでも早いタイミングでランク2に到達してランクアップ時効果の恩恵を受けることが重要です。
 しかし、これらのカードはコストに対する増加生産量を見るとそこまで優れているわけではありません。あくまで、他にしたいことが無くなったときにドローも兼ねて使うようにしましょう。

2.4.6. 安いドローカード

具体例
(1)青空教室(8コスト1ドロー+2金生産+生活タグ)
(2)ジャンクヤード(6コスト2ドロー+歯車タグ)
(3)勇者の剣の伝説(9コスト2ドロー+2金生産+商売タグ)
(4)吟遊詩人の語り歌(2コスト2ドロー)
(5)異世界ラヂオ(5コスト1ドロー+マリガン権)
(6)運命の出会い(4コスト3ドロー)

 このゲームはカードパワーの差が大きく、渋いカードを打つぐらいなら、コストを払ってでもドローの回数を増やしてコスパの良いカードを引いたほうが強い傾向があります。
 また、その方がカードのプレイ枚数が稼げるので「イベントカード8枚以上プレイ」の好感度開放がしやすく、カードによってはタグも稼げます。

 しかし、これらはあくまで「いま打ちたいカードが手札にない」という状況で使用するカードです。
 既に手札が充実している場合でも、春以降に使用したいカードを引く可能性を上げるために、ゴールドに余裕があればキープを検討しましょう。

2.4.7. お金を獲得するカード

具体例
(1)新型馬車の開発(生活・商売タグx2金獲得)
(2)異世界人の痕跡(最多タグx2金獲得)
(3)極彩爆裂砲弾(プレイ枚数x1金獲得)
(4)蒸留酒(8+商売タグ数金獲得)
(5)精霊蒸気機関の開発(文明金獲得)
(6)異界渡りのクッキー(文明+5金獲得) (7)冒険者学校の設立(無タグx3金獲得)

 蒸留酒以外の6枚は、基本的に1秋の終盤にゴールドを捻出するために使用します。いずれも使用するための条件や相応の準備が必要ですが、終盤のゴールドの多さは得点に直結します。どうしても3金が惜しい場合を除いて、必ず確保しておきましょう。

 他にも、迷宮タイルの獲得の目処が立っているなら、
(1)迷宮宝石商(1タイル+1ポーションをゴールドに変換)
(2)異世界の技術(1タイルをゴールドに変換)
(3)老練の解体職人(1タイルをゴールドに変換)
などがあります。

 黒字を確保できる可能性が他のカードほど安定しないので少しだけ優先度は下がりますが、
(1)発酵魔法の研究(生活タグx3金獲得)
(2)ギルド本部の大改築(プレイ枚数金+人物タグ数剣獲得)
も初期資産に余裕があればキープを検討しましょう。

2.4.8. コストに対して増加する生産量が多いカード

具体例
(1)謎のSF銃(6金→実質10金生産)
(2)迷宮実験場(11金→実質9金計算)
(3)真・龍墜乙女(23金→実質21金生産)

 どれも少しだけ条件が要求されますが、1冬や1春に使用できれば非常にコスパの良いカードです。*3これらのカードが確保できた場合は、条件を満たすための低コストのカードを優先的に使うようにしましょう。

2.4.9. 奈落ケアできるカード

具体例
(1)迷宮瘴気の有効活用(常時効果付き)
(2)空飛ぶ三馬鹿(奈落を探索できる)
(3)聖女の到来(7コスト)
(4)聖女親衛隊(7コスト、一応緑)

 最初のタイル公開で奈落が捲れている場合は、非常に価値が高くなります。
 というのも、タイル1枚条件のカードやタイルコストには優秀なものが多く(例:異世界ラヂオ、4tトラックの残骸、異世界の雑貨屋、吸血皇女グレイズ、ギルド迷宮前支店)、剣が不足しがちな表面がこれらのカードに1冬からタッチできるメリットは非常に大きいです。
 しかし、奈落の浄化は早い者勝ちである点から、奈落タイルの獲得を前提としたプランには脆弱性があります。このようなプランを立てる場合は、想定通りに動けなかった際の対応(サブルートに移行、気合いを入れて探索する、など)をこの段階から決めておくべきです。

 初手から奈落ケアを用意しておくかは難しいですが、個人的にはキープするべきだと思っています。理由としては、
・2枚目以降の奈落ケアが確保できた際に、雑にタイル獲得の手段として使用できる。その場合、要求タイル枚数が多くて強いカード(デッドライン・パレード、銀色の円盤、機械仕掛けの大扉、壊れたスマホ、竜の血、古代のレシピ本)に早いタイミングでアクセスできる可能性が出てくる。
・迷宮瘴気の有効活用(奈落獲得5金)、永久機関の開発(奈落×5金獲得)によって獲得できるゴールドが増えて上振れる可能性がある。
・聖女マカロン(奈落×2点名声)で上振れる可能性がある。
などが挙げられます。
 このような使い方をするのであれば、実際に浄化するのは春以降であるため条件が必ずしも空白である必要はありません。(むしろ、タグを要求する浄化札の方がポーションの現物を獲得できるなど強力なケースが多いです)

 また、1点エリアで奈落を引いた場合は、2点エリア以降の探索で奈落を引く場合に備えて、浄化札は温存して隣のタイルを探索し直すことをオススメします。(もちろん、奈落タイルを獲得することで立ち回りが変わってくる場合は話が別です)

 これは余談ですが、少しカードを覚えてきたら、奈落の場所を1手番で探索できる手段は4つ(ピースメーカー、飛竜印の運送屋さん、空飛ぶ三馬鹿、極彩爆裂砲弾)しかないことは抑えておきましょう。

3. 次回予告

 なんか長くなったので、いったんここで中断しようと思います。次回は1冬~1春あたりの立ち回りで意識していることを説明しようと思います。

 感想とか質問とかあったら私のDMまで気軽に質問して大丈夫です。それでは、次回の更新に乞うご期待ください!

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*1:例えば、借金生活で湧いたお金から謎のSF銃(生産+2剣)を使用できれば、1春にはその湧いたパワーで探索して、獲得したタイルの効果でゴールド生産が増えて、1夏にはそのゴールド生産でさらに強いカードをプレイして……と拡大再生産を進められて、1秋に獲得している利得は3点を大きく上回るでしょう。

*2:このカードを抱えて打つ時点で3+3+5=11金必要で、これだけのゴールドがあれば普通は1ポーション獲得以上の拡大再生産ができています。そもそも、あおじるサーバー→特別アクション→秘薬アクションで3手も使っていたら普通は秘薬アクションが埋まります。

*3:誤解を招かないように補足すると、真・龍墜乙女については、3ポーション無料や魔導通信ネットワークからなら1秋でも使用する価値のあるカードです。他にも、異世界デザートの開発で実質13金で使用できたり、超合金ブレードで大量の剣現物を獲得できる場合も同様です。迷宮実験場も、奈落浄化としてなら全然役立ちます。ただ、1冬で打てる場合は生産量増加の恩恵が大きいので浄化には拘らずに使用しましょう。

【SW2.5】アンデッドの遺跡探索【初心者向けシナリオ】

 こんにちは、ジーコと申します。今年の6月ぐらいからSW2.5を遊ぶようになったTRPG初心者です。普段はオンセンSNSというサイトでSW2.5を遊んでいます。

 今回は、私の初の自作シナリオである『アンデッドの遺跡探索』というシナリオを公開しようと思います。ベタな遺跡探索のシナリオですが、3回ほど実際に回した結果、ようやく最低限の体裁が整ったシナリオになったと思います。

 最後まで読んでいただけると幸いです。

 このシナリオは、魔物やアイテムのデータとして以下のルールブックおよびサプリメントを使用しております。
・基本ルールブックⅠ(PLはこれ一冊から遊べます)
・モンストラスロア(GMをする人は所持が必須です)
また、これ以降は基本ルールブックⅠを「Ⅰ」、モンストラスロアを「ML」と表記いたします。

 それでは、さっそく始めていきます!

 あ、構成はルールブックⅠの形式を参考にしております。もしも記載漏れや気になった点などがございましたら、ご気軽にお尋ねください。

シナリオ

 このシナリオは、アンデッドが定期的に出現する遺跡を最深部まで探索し、アンデッドたちを掃討することが目的となります。

セッションの準備

 このシナリオは、以下のレギュレーションで作成されたPC、3~5人を想定してデザインされています。それ以外の場合、敵などをGMが調整してください。

~ここからPC作成レギュレーション~

経験点:3000+2500点
ガメル:5000G
名誉点:60点
成長:2回(任意の2種類の能力を1回ずつ成長させててください)
レベル制限:3
アビスシャード:1個

~ここまでがPC作成レギュレーション~

 一応、ルールブックⅠ掲載のサンプルシナリオ『蛮族を駆逐せよ』を終えたPCを想定しております。そのため、レギュレーションに500~1000点ぐらい経験点が足りなくても何とかなると思います。
 どうしても不安な場合は、経験点を5500点まで引き上げてください。また、実際のセッションでは4人でしか回していないため、難易度は人数でブレが生じることをご留意ください。

シナリオの舞台

 アルフレイム大陸(Ⅰ・373頁)の南西部にある、ブルライト地方の都市「ハーヴェス」(Ⅰ・379頁)から冒険は始まります。
 PCたちは、ハーヴェスに存在する冒険者ギルド支部<ドラゴンファイア>で少しずつ依頼をこなすようになった、成長途中の駆け出し冒険者です。

シナリオ本編

1)導入

 今回の舞台は、"呪いと祝福の大地"アルフレイム大陸の南西部に位置するブルライト地方に存在する"導きの港"ハーヴェス王国。ハーヴェス王国の特徴は、ディガット山脈から流れるウォルタ川という豊かな水脈を有していたり、南西の海岸から広がる、アルフレイム大陸の内外を問わない広い交流関係だったりといった、水にちなんだものが多い。

 君たちがいるのは、そんなハーヴェス王国にある冒険者ギルド『ドラゴンファイア』だ。君たちは冒険者かもしれないし、そうでもないかもしれない。いずれにせよ、実力的には、つい先日初めての依頼を達成してきたばかりの、駆け出しといったところだろう。

 時刻は10時ごろ。他の冒険者たちは朝食を済ませ、訓練であったり、冒険の準備のためにギルドを発ってしまったところだ。そこに、担当者のリーナ・バークマン(人間/女/22歳)が君たちに声をかけてくる。

 「今ちょうど、新しい依頼が入っているの。ハーヴェスからチャーターを使って二日ほどの距離にある遺跡についての依頼なんだけど、手に負えないアンデッドがいるから、退治してほしいそうよ」
 リーナの話によれば、姿を見せているのは人語を喋るアンデッドだという。

依頼の内容

・依頼者は冒険者ギルド。
・報酬は成功報酬として一人あたり1000ガメル。
・目的は枯れた遺跡に定期的に出現するアンデッドの掃討(普段は新米冒険者に依頼しているが、最近は徐々にアンデッドのレベルが上がっている)。
・制限日数は、現地到着から1日間。過ぎると失敗と見なされる。
・移動手段であるチャーター便のおよび食事の代金は、ギルド側で用意する。
・前渡し報酬として、PCひとりにつき<ヒーリングポーション>(Ⅰ・325頁)×1が支給される。
・もし、最近の現象(出現するアンデッドが強くなっている)の原因の究明して現場の判断で解決した場合、追加の報酬が支払われる。

依頼の状況

・遺跡までは、チャーター便で二日の距離(帰り道も保証されているので、地図などを用意する必要はない)。
・遺跡は地下都市の跡地で、300年前の<大破局(ディアボリック・トライアンフ)>(Ⅰ・355頁)によって崩壊したとされている。
・アンデッドは、総勢10体程度。特にグールが多いらしい(以前はスケルトンやゾンビぐらいまでしかいなかった)。
・遺跡から逃げ出してきた冒険者によると、人語を喋るアンデッドが存在していたらしい。

 グール(ML・128頁)について「魔物知識判定」(Ⅰ・116頁)ができます(全員失敗した場合、リーナが教えてくれます)。
 なお、報酬の釣り上げには応じません。また、他にPCたちに最適な依頼もありません。

 また、この時点で遺跡の地図(いつもは新米冒険者に依頼を出しているということで、準備してある)を渡されます。実際のセッションでは以下の画像を使ってください。

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2)遺跡周辺にて

 ギルドが手配してくれたチャーターで君たちは遺跡へと向かっていく。ハーヴェスから遺跡自体まで向かうことは今回が初めてではなかったようで、すでに危険の少ないルートが見つかっているそうだ。そのためか、道中は何事もなく、安全に遺跡周辺までたどり着けた。

 周辺を見渡すと、アンデッドの瘴気にやられているのか、雑草すら生えていないようだった。また、風化が進んだ結果、洞窟のようになっている入口があり、地下へと続いていることが分かる。どうやら、これが遺跡の入口のようだ。

 チャーターの運転手は、近くの村で待っているとのことで、遺跡から村までの地図を渡してくれます。適当に「アンデッドにならずに遺跡から戻ってくることを願うよ」みたいな労いの言葉をかけると味が出ると思います(笑)

 ここでは特にイベントは発生せず、探索しても役に立つものは何も見つかりません。

3)遺跡の中へ

 PCが望むならば、いつでも遺跡に入ることが出来ます。
 遺跡は暗くなっているので、探索中は明かりの用意が必要です。Ⅰ・320頁の照明器具の説明を参考にしてください(本記事では基本戦闘を想定しておりますが、戦闘中は3エリアを照らすものとして扱うことを推奨します)。

<1>入口

 洞窟に足を踏み入れたあなた達。入った瞬間に強い腐敗臭が漂ってくる。どうやらアンデッドが巣食っているのは間違いないようだ。
 匂いに慣れると、奥の広場から骨が岩にぶつかる音がコツンコツンと聞こえてくる。冒険者である君たちは、これがアンデッドのものであるとすぐに気がつく。

 聞こえてくる音から情報を得たい場合は、目標値11の「聞き耳判定」(Ⅰ・113頁)を行います。成功すると、音は2種類あり、グールと四足歩行のアンデッドの音であると分かります。
 -4のペナルティ修正を加えることで、音から四足歩行のアンデッドに対して「魔物知識判定」(Ⅰ・116頁)を行うことができます。この達成値はペナルティ修正を取り除いて戦闘準備で参照します(Ⅰ・422頁)。  目標値は10/13で、成功すると広場にいるのがボーンハウンド(ML・130頁)と推定できます。

 アンデッドたちとの距離を調べたい場合は、代表者一人で目標値9の「隠密判定」(Ⅰ・111頁)を行います。成功した場合は距離が50m程度と分かり、戦闘準備とは別に1Rの猶予が与えられます。失敗した場合は先制値に-1のペナルティ修正が入ります。
 さらに、成功すると内訳がグール×(PC人数-2)体と四足歩行のアンデッド×1体だと分かります。紙やペン(Ⅰ・322頁)を持っている場合は、隠密判定を行った人に絵を書いてもらうことで「魔物知識判定」(Ⅰ・116頁)を行うことができます。この場合、ペナルティ修正は-2となります。

<2>広場

 君たちは入口で聞こえた音を頼りに奇襲されないように警戒しながら、ジリジリと洞窟を進んでいく。順路はL字となっており、まだアンデッドは見えない。

 L字の順路を曲がると、目の前には急に縦長の広場となっていた。幅はおよそ15m程度で、奥行きは正確には掴めない。さらに、少し離れた場所にアンデッドたちがいることが分かる。

 当然、アンデッドたちも冒険者がいることに気が付き、すぐさま襲いかかってきた!

戦闘

前線:ボーンハウンド(ML・130頁)×1体
前線:グール(ML・128頁)×(PC人数-2)体

戦闘に勝利した場合

 君たちは咄嗟に出くわしたアンデッドをなんとかいなすことができた。この広場は思っていた以上に広く、思った以上に何もないことが分かる。どうやら、他の部屋や施設との中継地点以上の意味は持ち合わせていないようだ。

 君たちが行ける場所は「食事場」「庭」「最奥につながっている通路」の三箇所だ。好きな場所に好きな順番で行くことが出来るからこそ、パーティー内で意思疎通を計ることが重要だろう。

 パーティーで話し合って次に向かう場所を決めてもらい、対応するイベントの処理を行います。

<3>庭

 広場から少し離れたところに、他より地面が粉っぽい場所があった。どうやらアンデッドが全く足を踏み入れていない場所のようで、崩れたレンガの段差に土が盛られており、かすかにかつては庭だった形跡がある。

 しかし、手入れは全くされておらず、草が生い茂っているのみである。また、草の生えている場所と現在の場所との間には6mほどの地割れがある。あれらを採取するには、地割れを往復して飛び越えるしかなさそうだ。

 庭の周囲を調べたところ、以下の位置関係が分かります。この画像はプレイヤーに公開しても構いませんし、聞かれた部分だけ答えても構いません。

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 プレイヤーの対処に応じて、「跳躍判定」(Ⅰ・121頁)や「登攀判定」(Ⅰ・121頁)を行います。

 草について調べたい場合は、目標値5の「薬品学判定」(Ⅰ・116頁)を行います。成功すると、草が魔香草(Ⅰ・324頁)であると分かります。地割れの反対側から調べる場合は、達成値に-2のペナルティ修正を加えてください。

 採取する場合は、(1d+4)個の草を獲得します。

<4>食事場

 広場にある扉を開けて入ったこの部屋は、ひときわ強い匂いがした。部屋の真ん中には、顔以外の肉がほとんど崩れ落ちた大型の四足獣の死体が転がっている。
 景色に見慣れたあなた達は、少しずつ周りの状況に気がつく。どうやら気絶したグラスランナーの冒険者が倒れている。息は薄いが、まだ生きているみたいだ。今すぐ処置をすれば助かるかもしれない。

 広場とこの部屋をつなぐドアには特別な仕掛けは無く、開けるのに判定は不要です。

 この部屋に入った瞬間、目標値8の「異常感知判定」(Ⅰ・113頁)を行います。成功すると、この食事場全体に『毒の瘴気』が発生していることが分かります。『毒の瘴気』によって、判定などで10分間この部屋に滞在するごとに1d[点]の魔法ダメージを受けます。

 冒険者の様態を調べたい場合は、目標値7の「病気知識判定」(Ⅰ・115頁)を行います。成功した場合、冒険者はかなり長い時間瘴気を吸っていて、現在のHPが「-10」であると分かります。

 また、筋力15以上のキャラクターがいるのであれば、このグラスランナーの冒険者を「<2>広場」に連れ出しても構いません。

グラスランナーの冒険者を助けた場合

「おっ、君たちが助けてくれたのかい?」
「いやぁ~私ったら運がいいね!わっはっは」

 グラスランナーの冒険者を助けると、お礼として以下のことを教えてくれます。
冒険者の名前はミンス*1といい、一人でこの遺跡にお宝漁りに来ている。
・食事場に、武器庫に繋がる隠し扉がある(以降、食事場から武器庫に行くことが可能になります)。
・武器庫を漁っていたら、この遺跡のボスのアンデッドに見つかって気絶させられていた(保存食として)。
・アンデッドのボスは人間並みの知能を持っている。

 以上の情報を伝えると、ミンスは「さすがに疲れたから帰る」といって入口から遺跡を脱出します。パーティーには加わりません。

<5>武器庫

 食事場に隠されていた扉を開けると、そこにはアンデッドの部隊が使うと思われる武器庫があった。食事場ほどの腐敗臭はなく、どうやらここには毒の瘴気も届いていないみたいだ。

 武器はスケルトンが使い古したのか、ボロボロの状態のものしか見つからなかった。だが、もしかすると武器以外ならお宝が紛れているかもしれない。

 ここでは食事場の『毒の瘴気』のダメージを受けません。

 周囲を調べる場合は目標値8/12の「探索判定」(Ⅰ・114頁)を行います。目標値8で知名度13の宝石を4つ、目標値12で知名度10のペンダントを見つけます。

 これらについて詳しく調べたい場合は、それぞれの知名度を目標値とした「宝物鑑定判定」(Ⅰ・115頁)を行います。セージ技能を用いて判定に成功すると、宝石は<消魔の守護石(2点)>(Ⅰ・327頁)、ペンダントは<幸運のお守り>(Ⅰ・329頁)だと分かります。

<6>通路

 君たちは広場から通路を見やる。地図の通りであれば、このまま順調に通路を進めば最奥にたどり着けるはずである。

 ただ、道幅はかなり狭く、2人以上が横に並んで進むのは難しそうである。この通路を通るときは、隊列を組んでから進んでいく必要がありそうだ。

 通路についてはこんな感じです。この画像はプレイヤーに公開しても構いませんし、聞かれた部分だけ答えても構いません。
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 この通路を通る場合、先頭の人を決める必要があることをプレイヤーに伝えてください。そして、曲がり角を少し進んだ段階で、先頭の人は目標値9の「罠回避判定」(Ⅰ・116頁)を行います。

 判定に成功すると、足元のブービートラップを無視できたとして、このあとの戦闘の先制値に+2のボーナス修正を獲得します。失敗した場合、背後から直径4mの岩が転がってきたとして、そのまま「<7>最奥」に移動し、即座に戦闘を開始します(岩からの逃走は自動成功とみなしてOKです)。

<7>最奥

 通路を通って洞窟への最奥にまでたどり着いたあなたたち。最奥にはグールとグールの魔法使い、スケルトンの射手がいるようだ。出口はあるが、これらを倒さないと外には出してくれないようである。
 アンデッドたちは、あなたたちを見るやいなや、陣形を組んで襲いかかってきた!

 ここでは、グールなどのアンデッドを指揮しているグールメイジとその配下が待ち構えています。そのまま戦闘となります。

戦闘

前線:グール(ML・128頁)×(PC人数-1)体
後方:グールメイジ(ML・130頁)×1体
後方:スケルトンアーチャー(ML・129頁)×1体
※グールメイジは、<剣のかけら>(Ⅰ・425頁)×(PC人数+2)個で強化されています。ボスですが、2R目あたりから前線に突入してグールが全滅したタイミングで<ライトニング> を毎ターン使用する動きが強いと思います。

4)結末

 依頼を終えて<ドラゴンファイア>まで帰ってきたあなた達。あなた達は、リーナ・バークマンに今回起こったことについて報告した。

経験点と報酬

 PCたちは「1000+倒した魔物のレベル合計×10+自動失敗の回数×50」点を獲得します。具体的には、以下の通りです。
3人プレイ:「1260+自動失敗の回数×50」点
4人プレイ:「1320+自動失敗の回数×50」点
5人プレイ:「1380+自動失敗の回数×50」点

 報酬については、広場での戦闘に勝利で1000ガメル、グールメイジ討伐で250ガメル、グラスランナーの冒険者救出で250ガメルが支払われます。

 名誉点は、<剣のかけら>を献上することで獲得できます。プレイヤーが振って期待値2とかになると微妙な雰囲気になるので、GMが振ってしまうことをおすすめします。

あとがき

 いかがでしたか?(検索汚染のクソブログ風に)

 1回目は戦闘バランスの調整を間違え、2回目は背景描写が足りなかったので自分で画像を作り、3回目はアドリブでの対応に爆発しかけたりと、まだまだ改善の余地もありそうですが、まずは形にして公開することが重要だと考えてこの記事をアップロードしました。

 シナリオを投稿するのは初めてなので、見づらかったり説明が足りない部分などがございましたら、ご気軽にコメントだったりTwitterのDMをいただけると嬉しいです。

 シンプルなダンジョンアタックということで回す難易度自体はかなり低いと思うので、私のような初心者GMの方にも使っていただけたらなあ、と思います。

 というわけで、本記事は以上となります。最後まで読んでくださり、ありがとうございました!同卓するときはよろしくお願いします。

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*1: 元ネタ(?)は私がフリーキャンペーンで使用しているキャラです。バード、スカウト、アルケミスト、ライダーの技能を持っていますが、このシナリオではライダー技能を取得する前で、ライダー技能を取得するきっかけという時系列にしています。なんで一人で探索してるのかって?グラスランナーだからだよ!(説明放棄)